日本共産党国会議員団は2日、名古屋港臨港地域の大気汚染問題の現状について高速道路や工場地帯を視察し、名古屋港管理組合がするべき適切な対応や公害の責任について懇談しました。
みなと公害患者と家族の会の田中久幸事務局長は、同地域の環境対策の歴史を話し、「名古屋南部大気汚染公害訴訟」を紹介。同裁判は、1989年に地元の公害病認定患者たちが、国と公害発生企業を相手に大気汚染物質の排出差し止めや被害に対する完全な賠償を求めたもので、2001年に原告と国で和解が成立しました。
田中さんは、「まだ大気汚染問題は解決していない。責任は名古屋港管理組合にもある」と話しました。一方、同組合は、「環境管理機関ではなく、大気環境保全に関する義務も権限もない」と主張しています。
田中さんは、「名古屋港管理組合が名古屋港を埋立て造成した土地に、公害発生企業を誘致した歴史的事実がある」と指摘。環境基本法の制定以来、官民ともに全ての施策には「環境の保全」が最優先で求められることを述べ、同組合が適切な対応を行うことを強く訴えました。
視察には本村伸子衆院議員、武田良介参院議員、市田忠義副委員長秘書、山口清明名古屋市議が参加しました。
(8月5日 しんぶん赤旗)