「ストップ・リニア!訴訟」の提訴1周年を記念して名古屋市西区で24日、「リニア新幹線で私たちのくらし・環境はどうなる?」と題した講演会が開かれ、60人以上が参加しました。西区リニアを考える会、中村・リニアを考える会、リニアを問う愛知市民ネットの共催です。
訴訟弁護団の樽井直樹弁護士は、リニア中央新幹線の沿線住民ら700人以上が工事認可の取り消しを求めて国を訴えている訴訟について紹介。「訴訟と地域の運動を結合させ、リニア計画を止めていきたい」と語りました。
環境地盤研究所・地盤解析室の徳竹真人室長が講演しました。愛知県内のリニア沿線地域の地質について、500万~100万年前まで巨大な湖があり、現在も地下水が豊富な地域だと紹介し、春日井一帯では亜炭層が広がるなどもろい地盤であることも指摘。こうした地盤にリニアトンネルを掘れば、地下水の流れの変化や減少、地盤が沈下し建物に影響を及ぼす危険性があると訴えました。
参加者からは「リニア名古屋駅予定地の近くに住んでいる。沈下や崩落がないか心配だ」など、多くの質問や意見が出されました。
リニアの新駅は名古屋駅の地下30?に建設予定。JR東海は周辺住民に立ち退きや土地の使用に制限をかける「区分地上権」の設定契約を迫っています。外径13・6?のトンネル幅の真上については被害があれば補償するとしていますが、徳竹氏は「真上だけでなく、幅広く沈下する可能性が非常に大きい」と述べ、JR東海の対応を批判。工事が始まる前に建物の現在の状態を記録しておくことを呼びかけました。
市民ネットの小林收代表があいさつし「きょうを新たなたたかいのスタートにしたい」と訴え。ストップ!リニア訴訟の公正な審理を求める署名への取り組みが呼びかけられました。
(6月27日 しんぶん赤旗)