愛知県内で子ども食堂を運営している人、子ども食堂へ行きたい人、子ども食堂を支えたい人を結びつける「あいち子ども食堂ネットワーク」の創立総会が24日、名古屋市内で開かれました。こども食堂の輪を広げ、ゆるやかなつながりから、誰でもが地域で安心して暮らせる社会をめざしています。
県内の子ども食堂は、行政も含め正確な数が掌握されていません。ネットやマスコミ報道等で40以上が確認されています。それ以外にも公表しないところもあります。
総会には、子ども食堂を運営する個人や団体、支援者やボランティアら300人が参加しました。20の子ども食堂が会員登録しました。
■ 結びつきが必要
共同代表に選ばれた、わいわい子ども食堂(名古屋市北区)を運営する杉崎伊津子さんが設立までの経過を報告しました。県内では2015年7月に長久手市で子ども食堂が誕生し、名古屋市北区、千種区へと続き、16年には約30カ所で新たに開設されました。杉崎さんは「子ども食堂は開設後が大変です」と指摘。
「財政基盤が不安定なうえ、継続して支えるボランティア不足などさまざまな困難や課題を抱えています。個々の主催者の努力では解決しない問題も多く、結びつきが必要です」と設立の意義を話しました。
子ども食堂の実態調査をおこなった中京大学の成元哲(ソン・ウォンチョル)教授が事務局長に就任しました。運営規約を紹介し、「一人よりみんなで食べよう」を合言葉に、手作りのご飯を通じて、ありのままの自分を暖かく迎えてくれる人、信頼できる人につながった時、子どもたちの人生が変わる可能性がありますと指摘。「運営者の学習会交流や情報提供の場をつくり、子ども食堂を各地に広げたい。行政機関や学校、社会福祉団体などとの連携を深め、要請や意見交換の機会をつくっていきます」と語りました。
■ 老若交流の場に
ほんわか食堂(名古屋市南区)の代表は「運営している医療法人は無料低額診療も実施しています。病気の対応や相談にも応じていきたい。新たに港区にも開設を予定しています」。ちくさこども食堂(名古屋市千種区)の世話人は「最近はひとり暮らしのお年寄りも参加しています。子どもと交流でき食事がおいしいと話している。老若の交流の場にしたい」。日進絆子ども食堂(日進市)の代表は「必要とする子どもや保護者に各地の情報が届くよう、SNSなどを使って食堂の存在を知らせていきたい」と抱負を語りました。
子ども食堂に調理のボランティアとして参加している女子学生()は「多くの大学生が子ども食堂に関わっています。ネットワーク結成を機会にボランティアの他大学の学生との交流会もやってみたいです」と話しました。
総会後、NHK報道局制作センターの板垣淑子チーフプロデュサーが「『見えない貧困、未来を奪われる子どもたち』取材の現場より」と題して講演しました。
(6月28日 しんぶん赤旗)