秘密法と共謀罪に反対する愛知の会が6日、名古屋市東区で「共謀罪」連続学習会の特別企画として、英国エセックス大学人権センターの藤田早苗さんを招いた講演会を行いました。用意した資料が足らなくなる120人が参加しました。
藤田氏は、「国際社会から見た日本の表現の自由とメディアと『共謀罪』」と題して講演。2013年に成立した特定秘密保護法の法案が出た時、すぐ英訳して国連に伝えた経緯も紹介し、「共謀罪」法案に懸念を示す国連特別報告者の調査報告を説明しました。表現の自由を保障した憲法21条に対し、制限を加えようとしている自民党改憲案を批判。「国際社会から見た日本は、プライバシーや表現の自由、メディアの独立性が著しく損なわれている」と述べ、「国連人権理事会の理事でもある日本政府は、報告・勧告を敵視するのでなく、真摯(しんし)に受け入れるべきだ」と語りました。
メディアの役割について、「市民の側に立って、権力を監視する使命があり、『独立性』が重要だ」と指摘し、日本のマスコミ幹部が安倍首相と会食を繰り返していることを批判しました。報道の自由度ランキングで日本は11位(11年)から72位(17年)に急落したこともあげ、「ぜひ海外のメディアにも目を向けてほしい。違う角度から日本を見る機会をつくってほしい」と訴えました。
浜島将周事務局長(弁護士)は、「安倍政権は、無知で無恥だと世界に知られている。政治を正しい流れに戻すのは私たちの努力だ」と話しました。
大学のゼミで「政治とメディア」を学ぶ学生2人組みは、「海外との報道の温度差を感じた。『共謀罪』はこのまま強行されるのか不安」、「国会では論点がはっきりしないまま時間だけが過ぎている」と話しました。
(6月9日 しんぶん赤旗)