愛知県西尾市では、市民の声を聞かず、公共施設の建設から長期間の運営まで一括契約する「PFI方式」に不安と怒りが巻き起こっています。21日には、「暴走 西尾市方式PFI反対」市民集会が開かれ、約150人が参加しました。「西尾市のPFI問題を考える会」主催。
同市では昨年11月、支所棟、市営住宅、温水プールなど新設5、改修12、運営7、160の維持管理を「エリアプラン西尾」1社と総額198億円で一括契約。全国でも最大規模の包括PFI事業です。榊原康正市長が主導し、積算根拠も計画の詳細も明らかにしていません。
西尾市のPFI問題を考える会は今年2月、公共工事の丸投げを禁じた建築業法違反であり、1社に一括発注するのは中小企業基本法に反しているとして、名古屋地裁に公金支出差し止めの住民訴訟を起こしています。
集会で、辻本駿代表代行があいさつし、幡豆郡3町(一色、吉良、幡豆)が西尾市に編入した2011以降、「市の財政は火の車だ」と指摘。にもかかわらず、「何の競争もなく1社だけ優遇し、市民の資料請求にもくろぬりのオンパレードだ」と批判しました。
会員から「西尾市方式PFI」の問題点が報告され、吉良支所・公民館を解体し、新たに建設される吉良支所棟では、フロアの3分の2が民間フィットネスクラブだと指摘。「建設費用は市が負担し、住民の声は反映されず、民間の儲けだけ優先。市民にとって非常に不利益な事業だ」と話しました。
建築士の梅村幸夫さんは、「市の定めた事業方針にある『新施設は建築しない』『市民とともに推進する』という原則に反している」。同市の産業廃棄物最終処理場計画に反対する鳥山美知男さんは、「市民無視の市政が行われている。みんなで一緒に立ち向かっていきたい」と訴えました。
集会に参加した女性(66)は、「西尾市方式は信じられない内容。30年もの契約を市民に知らせず決めていく市政は信用できない」と語りました。
(5月26日 しんぶん赤旗)