安倍晋三首相が「憲法を変える」って言っているけど、どう思う?―。若者に問いかけるアンケートが憲法記念日の3日、名古屋駅周辺で取り組まれました。愛知県平和委員会青年・学生部が毎年実施しているもの。今回で22回目。
同部の青年10人が午前9時から1時間半かけて行動。若者が行きかう歩道で「若者憲法アンケートにご協力を」と元気な声が響き、次々と足を止めてアンケートに答えていきます。12歳から30歳までの102人(平均年齢18・7歳)から回答を得ました。
「憲法9条についてどう思いますか」の質問に「変えるべきでない」「どちらかといえば変えるべきでない」とあわせると51人でした。「変えるべきだ」「どちらかといえば変えるべきだ」の計9人を大幅に上回り、「わからない」42人でした。
その理由について、女子高校生2人は「平和が大切。戦争を起こしてほしくない」、「9条を変えるための国民投票があったら絶対に反対票を入れます」と話しました。男子大学生(22)は「今でも安倍政権は『北朝鮮の攻撃から守る』と言って自衛隊を増強している。9条が変わると、もっと安倍政権は暴れ出すから」と語りました。
「戦力を保持せず、国の交戦権を認めない」とした9条2項について、「変えるべきでない」「どちらかといえば変えるべきでない」が54人、「変えるべきだ」「どちらかといえば変えるべきだ」が13人、「わからない」35人でした。
「変えない」と答えた子ども連れの母親(28)は「子どもの将来を考えると、武器を持たず、話し合いなどを通じた平和外交をやってほしい」。「変えるべき」と答えた男性(27)は「戦争は嫌だが、有事に備えて合法的に軍隊を持った方がいい」と語りました。
毎年質問している「現在の憲法についてどう思いますか」では、例年通り「かわらない」が55人と半数以上を占めました。「変えるべきでない」「どちらかといえば変えるべきでない」が26人、「変えるべきだ」「どちらかといえば変えるべきだ」が21人となりました。2014年以降、改憲反対が上回っています。
愛知県平和委員会の池田幹人さんは「戦争より平和を望んでいる若者が多いと思いました。一方で戦争法(安保法制)の駆け付け警護、自衛隊の海外活動を知らない若者が多いと感じました。改憲の問いでは半数が『かわらない』と答えています。宣伝などに取り組んで、安倍政権の改憲の狙いや危険性を若者に伝えていきたいです」と話します。
(5月9日 しんぶん赤旗)