愛知県内で子ども食堂が2年ほどで40カ所近くが開設され、情報交換や行政・企業への働きかけ、学校・地域との連携を求めて、ネットワーク設立の動きがでています。
名古屋市内で開かれた「子ども主催者のパパネルディスカッション」(16日)に、子ども食堂20団体、名古屋市、社会福祉団体などから約80人が参加しました。
中京大学の成元哲(ソン・ウォンチョル)教授と学生6人が昨年7月から今年2月まで実施した「子ども食堂に関する社会調査」の結果を発表しました。
調査は、連絡がとれた県内の子ども食堂にボランティアとして参加。成教授は「行政も福祉団体も全体を掌握していないので、ネット検索や新聞記事などで調べた」といいます。
連絡がとれたのは名古屋市内18カ所、名古屋市外15カ所。名古屋市内では「わいわい子ども食堂」(15年11月)、市外では「長久手子ども食堂」(15年7月)が最初が最初と思われ、ほとんどは2016年からでした。
共通点は、居場所としての子ども食堂を目指していることです。経済的困窮にある子どもが来る場所というよりも、誰でも立ち寄ることが出来る居場所を心がけています。フェイスブックやブログなどSNSを使っての広報し、小学生から大学生までの学生ボランティアンが活躍。不登校の生徒や障害を持っている子がボランティアとして参加しているところもありました。
子ども料金を無料にできているところは半数。「寄付金集めに努力し、今年から子どもは無料にした。でも月1回から2回に増やすのは寄付頼みでは無理。行政などからの安定的な補助金が欲しい」との声も。
子ども食堂の数は、人口比でみると、まだ他県より少ないといいます。人口140万人の滋賀県は43カ所(朝日新聞17年1月8日付)、人口750万人の愛知県が40カ所足らずです。新規開設には、広い調理場や食事場所、食材や調理器具、食器の保管場所が必要です。「月1回くらいの開催なので公民館など自治体の施設を無料で貸してほしい」という要望も。
「わいわい子ども食堂」(名古屋市北区)を運営する杉崎伊津子さんは「子ども食堂は開設後も様々な困難や課題を抱えています。個々の主催者の努力では解決しない問題も多く連携が必要です」と話しました。
パネルディスカッションで平田寺子ども食堂(北名古屋市)の代表は「子どもが主役。異年齢の子どもの交流がほほえましい。子どもの友だちづくりだけでなく、親の輪も広がっている」と報告。「みずほみんなの食堂』瑞穂区)は「外国籍の子どもが日本語が上手になり学習支援になっている。文化行事や、おもちゃ作り、苗木植えなど、子どもが楽しめる企画も工夫している」と発言しました。
参加者は交流後、「あいち子ども食堂ネットワーク準備会」を結成。6月の設立総会に向け、幅広く参加を呼びかけることを確認しました。
(4月30日 しんぶん赤旗)