名古屋市の障害児通園施設の父母、障害者団体でつくる地域療育センターの早期建設を実現する会(西脇晃子会長)の母親ら80人が7日、名古屋市と懇談し。児童発達支援センターの充実や老朽化した施設の改善を求めました。
名古屋市内には就学前の障害児を支援する児童発達支援センターが10カ所あります。そのうち障害の重い子の障害治療・リハビリなどをおこなう地域療育センターは5カ所(中川、南、西、昭和、千種区)しかありません。そのため一部の地域から、遠くて通いづらいなどの声があがっています。
西部地域療育センター(中川区)に子どもを通わせている親は「常勤の整形外科医がいない。相談は予約でいっぱいで数カ月待ち」。北部地域療育センター(西区)の母親は「41人の入園児のうち7人が胃瘻(いろう)による栄養チューブ措置など医療行為が必要。保健師が1人しかいなくて大変」。発達センターあつた(熱田区)の親は「自閉症の子どもの言語訓練をしたいがセンターに訓練士がいない。数時間かけて遠くの病院に行き訓練を受けている」と語り、医師や保健師、訓練士の増員を強く求めました。
市の担当者は「全国的な医師不足に加え、特に小児や整形の医師が少ない。医師会に協力要請しているが、当面は非常勤で対応する」「財政が厳しく基準以上の職員配置は困難」と答えました。
施設整備や通園バスについては、「発達センターちよだ(守山区)は築41年で建物はボロボロ。耐震改修も出来ていない。早急な改修を」、「西部地域療育センターの通園バスは1台だけ。遠くの港区南陽地域だと1時間以上かかる。障害児にとって長時間通園は大変。バスの増車を」と訴えました。市の担当者は「センターを運営する法人に要望を伝える」と答えるに留まりました。
実現する会は、名古屋市との懇談を前の5日、港区の名古屋港水族館前で、「みんなでつくろう療育センター 手と手と手と」アピールする行動に取り組みました。親と子ども、施設職員ら250人が参加し、全区に地域療育センター建設、施設充実を呼びかけました。
水族館を訪れる家族連れに、参加者は「保育士、訓練士を増やして」と書いたボード、老朽化した施設の写真パネルを掲げ、「障害のある子どもが通う施設を全区に」、「療法士など施設職員の充実を」と訴えました。
(11月11日 しんぶん赤旗)