愛知県社会保障推進協議会(愛知県社保協)は24日、名古屋市内で「介護保険改善運動交流会」を開催。ケアマネジャーやホームヘルパー、医療関係者ら84人が参加し、利用者のサービスを守る活動を交流しました。
安倍政権が介護給付費の削減を狙い、全国の自治体に押し付ける「総合事業」が昨年4月から始まり、来年4月から全自治体でスタートする予定です。
大阪社保協の日下部雅喜氏が記念講演し、名古屋市をはじめ試行実施している自治体の状況を報告。「給付抑制、サービス内容の低下はもちろん、介護事業所の経営難やヘルパーの待遇の悪化が危ぐされる」と指摘し、「本格実施まで半年ある。国に総合事業の撤廃を求めるとともに、高齢者だけでなく、全住民が声をあげ署名や自治体交渉など運動を広げ、今のサービスを守らせること大切」と強調しました。
名古屋市のケアマネジャーは「今年6月から施行実施し、今までの認定者の利用数や内容は変化がないが、新規認定が厳しくなっている」と指摘。歩けずはってトイレに行く人でも介護認定されず、要支援になる例や、ケアマネジャーが一人暮らしは無理と判断しても施設に入れず、在宅での支援になる例などをあげました。地域包括センターの職員は「新制度が複雑で要支援の人が利用できる内容や種類が雑多。相談者に何が利用できるかを説明するのが大変」と話しました。
25年間ホームヘルパーをしている女性は「資格をもったヘルパーは家事援助だけではなく、声かけや気配りをしながら利用者・家族の暮らしに寄り添い支援をしている。短期講習を受けただけのボランティアではそこまで目が行き届かない」と危惧を表明。年金者組合愛知県本部の役員は「組合員に介護保険の利用者アンケートを実施している。『ケアマネやヘルパーが親身になってくれ助かった』の声がある一方、『ヘルパーの来る時間を指定されるなど利用に不備がある。利用料が高い』の声もあがっている。近く集計し、自治体とも交渉したい」と語りました。
愛知社保協は10月25日から愛知県と全54市町村を訪れ介護保険改善について話し合う自治体キャラバンを予定しています。
(9月28日 しんぶん赤旗)