「福島を忘れない!希望はたたかいの中に」―。名古屋市東区で22日、「子どもたちに安心な未来を手渡す会」が「福島原発事故5年のつどい」を開き、会場の東文化小劇場は350人を超える市民でいっぱい。公園や合唱、ライブなど多彩に取り組まれ、原発ゼロへの思いがみなぎりました。
同会は、福島第一原発事故をうけ「原発ゼロへ」「人権・生命が大切」と2012年2月に発足。毎年、後援会などを続けてきました。賛同は200人を超えています。
■ 歌声をひびかせて
今年は5周年となるため、「福島を忘れない」思いをつなげようと「福島につなぐ合唱団」を公募で結成。昨年の日本のうたごえ祭典に出演した「名古屋市立志賀中学校合唱部」と共同で、総勢110人を超える歌声を響かせました。福島県南相馬市の中学生たちが再開と希望への思いをつづった「群青」など4曲を披露しました。
代表世話人の杉崎伊津子さんは「原発事故が起きれば、どれほど恐ろしいことか。福島の人たちが体で証明しているような気がします。政府にだけは絶対忘れてほしくない。国民の命を守る政治をきちんとしてほしいと切に願っています」と語りました。
福島県立高教組の大貫昭子さんが講演し、浪江町や双葉町、南相馬市の状況を報告。「5年前から何も変わってないのに、政府は『線量が下がった。安全だから帰れ』といって損害賠償を打ち切ろうとしている」と批判し、避難指示基準の年間20ミリシーベルトは年間400回もの胸部レントゲンと同じ線量であり、「通常は「年間1ミリシーベルト以上で避難する。私たちはスーパーマンじゃない。原発事故を解決しないと安心して生活できない」と語りました。
■ 元の生活に戻せ
「被災者の願いは元の生活に戻してほしいというかんたんで当たり前のことなのに、当然や政府はでいたくだという。原発事故が起これば、どこでも同じことがおきます。事故の教訓は、社会から一つ残らず原発をなくすことです」と訴えました。
講演を聞いた女子生徒(中1)は「震災当時は小1でした。地震や原発事故のこわさを知りました。私たちがおとなになったときに語り継がなきゃいけない」。合唱部の女子生徒(中2)も「名古屋から歌うことしかできませんが、福島に届くように思いを込めました」と語りました。
社会派アイドルグループ「制服向上委員会」もライブを行い、「原発事故さえなければ」など7曲を披露。「戦争と平和」の歌では、参加者と一緒に「戦争はいらない、原発はいらない」と合唱。会場から大きな拍手が沸き起こりました。
(9月25日 しんぶん赤旗)