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?患者の命守りたい?あいち看護要求実現交流集会

 
 「いい看護がしたい」「だからこそ大幅増員・夜勤改善を実現―。愛知県医療介護福祉労働組合連合会(愛知医労連)が名古屋で開いた「あいち看護要求実現交流集会」(3日)で、看護師ら34人が「患者の命を守るためにできること」を話し合いました。

 交流に先立ち、労働経済ジャーナリストの小林美希氏が「いま『看護の質』を問う~患者の命を守るために私たちができること」と題して講演しました。「看護師の誰もが人の命を大切にする志を持ち学校で学び、看護師になり現場に入った。それなのに夜勤回数の多さや長時間勤務で離職し、志が折れることは悲しい」と述べ、深刻な実態を報告。「今こそ現場から声をあげ、職場の仲間、患者・家族と共同して、国や自治体などへ改善を求めることが大切」と強調しました。

■ 家族の支えで
 討論で、民間病院の看護師は「病院や介護施設は24時間、切れ目のない医療・介護の提供が使命。患者に寄り添った良い看護が看護師みんなの願い。夜勤をなくすわけにはいかないが、過労死ラインを超えるような長時間労働は改善すべき」。公立病院勤務の代の看護師は「退院する時、患者さんが『親切、丁寧な看護ありがとう』とお礼を言われと、看護師を続けてよかったと思う。私は家族の支えで看護師が続けられたけど、結婚や妊娠・出産を契機に辞める看護師が多い。中堅看護師の離職は質の低下につながる」と語りました。
 愛知県の看護師数(厚労省2011年度調査)は人口10万人対比で全国42位と少なく、25年には今の倍(15万人)は必要だといいます。県の看護師アンケートでは「離職を考えたことがある」と答えた人は半数に上り、とくに勤務年数10~15年では58・8%を占めました。離職を考えた理由(複数回答)としては「給与に不満がある」が6割近くで最も多く、「責任が思い」「先進的な健康が不安」も半数近くありました。
 民間の病棟勤務の看護師は「3交代勤務で月平均8回の夜勤。夜勤明けで朝に帰宅。仮眠して夕方出勤の時もある。50歳を過ぎてから疲れが取れなくなった。友人から『給料が高くていいね』と言われたが、夜勤を月8回やって、やっとサラリーマンの平均給与に近い額」といいます。

■ 指導者が不足
 50代の看護師は「50代は管理職が多く、若手を指導する30、40代の看護師が少ない。看護師不足と指導者不足で『患者の脈を見ない』『体を拭たりオムツ交換は看護補助員に任せる』若手看護師が増えている。患者の脈や排泄物を見てこそ、患者の病状がわかり良い看護ができるのに」と話しました。
 新人看護師の超勤問題も取り上げられ、民間病院の病棟勤務の20代の看護師は「担当患者の電子カルテを見るのにベテランなら10分くらいで済むが経験不足の若手看護師が1時間くらい前から出勤して見る。時間外手当(残業代)も上司に『能力がない。仕事が遅い』と評価されるのが嫌で請求できない雰囲気がある」と話しました。

 公立病院の組合役員は「組合員アンケートで若手職員の残業代未請求が多かった。病院と交渉し10分単位で手当てを支給するようになった。妊婦や乳幼児のいる看護師の夜勤軽減も実現した」と報告しました。
 愛知医労連の林信悟書記長は「医労連などの署名運動が国を動かし、不十分であるが厚生労働省が今年の診療報酬改正で連続夜勤回数規制などを盛り込まれた。看護師大幅増へ署名など運動を広げよう」と訴えました。
(9月10日 しんぶん赤旗)