裁判で原発の運転を止めることを、みんなで考える後援会が28日、名古屋市昭和区で開かれました。関西電力高浜原発3、4号機の運転差し止め仮処分を勝ちとった井戸謙一弁護団長の講演に会場いっぱいの130人の市民が熱心に聞き入りました。主催は「若者の未来と人権を考える会」(代表・大内裕和中京大教授)。
主催者あいさつにたった西英子さんは「大津地裁の運転差し止め仮処分決定は、稼働中の原発を司法が止めた初めての事例。井戸さんから経験を学び、名古屋でもいかしていきたい」と話しました。
井戸市は、原発訴訟の判決・決定が福島原発事故の2勝36敗から事故以降は4勝6敗となっていることをあげ、「司法が変わったとすれば、それは市民が変わったからだ」と指摘。「原発の安全神話や必要神話など、すべての神話が崩壊し、この社会に原発の必要がないことが明らかになり、市民の意識が大きく変化した。原発を許すかどうかの決定権を専門家から市民の手に取り戻そう」と力説。「原発に未来はない。退場の道筋をつけてあげるのが市民の役割。一つひとつの原発の再稼働に徹底的に反対しよう。原発ゼロの日本をつくっていこう」とよびかけました。
高浜原発1、2号機の老朽原発の廃炉を求める「高浜原発40年廃炉名古屋訴訟」弁護団の藤川誠二事務局長との対談も行われました。同訴訟は、9月に二次提訴が予定され、10月26日には第2回口頭弁論(名古屋地裁)が行われます。
講演を聞いた男性(67)は「原発事故は収束していないのに、報道がすっかりなくなってしまった。原発事故の危険な実態を広めて、原発をなくしていきたい」と話しました。
(8月31日 しんぶん赤旗)