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運転手遺族が逆転勝訴 自殺は公務災害と認定

 名古屋市営バスの運転手・山田明さん=当時(37)=が自殺したのは、過重労働やパワーハラスメントなどが原因だとして、遺族が公務災害認定を求めた訴訟の控訴審で、名古屋高裁(孝橋宏裁判長)は21日、1審・名古屋地裁判決を取り消し、自殺を公務災害と認めました。地方公務員災害補償基金名古屋支部には補償金を支払わなかった処分の取り消しを命じました。

 訴状によると、山田さんは、過重な時間外労働のうえに、上司からは車内アナウンスを「葬式の司会のようだ」と注意され、車内転倒事故では警察に出頭させられるなど、精神的な負担が増し、2007年6月、上司に「身に覚えがなく納得できません」とメールを送り、その翌日自殺しました。
 孝橋裁判長は、「時間外労働は月平均60時間を超え、心身の余力や予備力を低下させた可能性は否定できない」とし、「不適切な言葉での指導や転倒事故の取り調べなどが4カ月の短期間に起こり、強い精神的負荷から精神疾患を発症した」として、公務災害だと認めました。

 報告集会で、山田さんの父、勇さん(75)は「これで息子も浮かばれる。安全、安心の職場になるよう願います」と語りました。
(4月23日 しんぶん赤旗)