2016年度愛知県予算案は前年度比1・7%増の一般会計約2兆5250億円。巨大な県予算を大企業応援に使うか、県民生活応援に使うかが問われています。
大村秀章知事は「『日本一元気な愛知』を作り、地域間競争、都市間競争に勝ち抜き、愛知から日本の未来をつくっていかなければならない」と述べ、「大企業がもうかれば、その恩恵が、いずれ庶民の暮らしにも回る」という「アベノミクス」と同じ立場で、大企業応援を一層強めた予算となっています。
名古屋駅のスーパーターミナル化などリニア中央新幹線の関連事業やFCV(燃料電池自動車)普及など輸送産業支援に大きな予算を投じています。
注視すべきは航空宇宙産業関連予算です。三菱重工のMRJ(三菱小型旅客機)のため県営名古屋空港の駐機場整備として15億円を計上。駐機場は自衛隊の次期戦闘機F35最終組み立てする三菱重工小牧南工場にも接しています。米国はアジア太平洋地域のF35整備拠点に同工場を指名。国は30億円の予算で同工場内の施設改修に充てます。県営名古屋空港が「重要な軍事拠点」に変貌する危険があります。
空港島(常滑市)には350億円かけて大規模展示場建設。県営名古屋空港には約45億円かけてゼロ戦展示もありうる航空ミュージアムの建設を予定しています。
一方で、県立高校の校舎はボロボロ、老朽化した県営住宅は大規模改修がなく放置されています。医療・介護や保育は市町村まかせなど、県民の暮らしや教育は県政の片隅に追いやれています。
そうした中でも、昨年、12年ぶりに日本共産党県議団が誕生。県議団は県民と力を合わせ県民要求が実現しました。特養の入居待機者解消を求め、介護施設整備費は前年度から倍増(75億円)し、増床数も2・6倍になりました。県営住宅入居者と県交渉をおこなうなどして修繕費が2年間で約8億円(22%)増額となりました。愛労連などが要求してきた公契約制度の条例制定、県議選の広報発行がおこなわれることになりました。
(2月27日 しんぶん赤旗)