安保関連法に反対するママの会@愛知は15日、全国「ママの会」発起人の西郷南海子さんを囲む「お話し会」を名古屋市内で開き50人が参加しました。夫が安保法賛成の人の苦労や、運動をすすめる上で先輩世代との感覚のギャップをどうやって埋めたらいいのかなど本音で語り合いました。
メディアで取り上げられることの多い西郷さんは、ものすごい運動家のように思われがちだとしながら「実は私はビビリ屋なんです」といいます。園児のママ友と外で会ったとき、バッグにしまってある2000万署名用紙を出したり引っ込めたり、よく躊躇します。勇気を出し署名を渡したときは、その場で署名を求めると相手に踏み絵を迫る形になり関係が崩れてはいけないと思い、後で返事をもらうよう気を遣っているといいます。「仮に50人に渡したとして、数人でも署名してくれれば、そこから深い話につなげることができる」とのべました。
福島原発事故後、名古屋に避難してきた女性は「私ができるのはSNSで『いいね!』を押すぐらいしかできないと思っていたけれど、がんばる力をもらった」と発言。別の女性も、デモ参加や街頭で訴えるだけでなく、他の人の行動をネットで拡散したり金銭面で援助したりするなど、安保法反対の形は人それぞれあると応じました。
「家庭の中にネトウヨ(ネット上で右翼的発言をする人)がいる」とのべ、安保法に賛成の夫との関係に悩む発言もありました。自宅前に2000万署名賛同の宣伝物をかかげている女性は、夫から子どもの就職に影響したらどうするんだといわれたといいます。家事を100%やってからデモに行けといわれる女性も。
「一つ屋根の下に自民票を見逃したままにしている自分が許せない」という別のママは、繰り返し自分の思いを夫に説明する中で、ママの会ならOKというようになってくれ、幼子を連れて行動に参加するようになったとのべました。
社会人に巣立った別居中の息子から長く連絡が無かったという女性は、戦争法の問題で自分が行動していることを手紙で知らせたら「がんばれ」と返事がきて号泣したと発言しました。
西郷さんは「一歩を踏み出せば、誰かが見てくれていることを信じて」と参加者を励ましました。
複数のママから、安保法廃止の思いは同じでも言葉選びなどで世代間のギャップを感じるとの声もありました。名古屋市内の女性は「先輩世代の知識とママの会世代とがつながれば、すごいパワーが生まれる期待もあるが、どうすれば」と質問。
西郷さんは「ママ世代は見栄えがよくないとネットでも目に留まらない。先輩世代に『一緒にフェイスブックつくりませんか』と呼びかけるなど、ママの会にも参加してもらい、お互いの良いところを引き出しあえたら」と答えました。
集いを主催した「ママの会@愛知」の宮崎里香さんが語ります。「ネットの取り組みが主だったのでリアルに本音で話し合えてよかった。選挙に向けてお母さん目線で安保法反対の行動をしていきたい」
(2月19日 しんぶん赤旗)