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「勇気もらえた」 戦争法反対 若者が語り合う

名古屋「ピースあいち」が集い

 
 「声を上げる勇気がもらえた」―。戦争法反対で立ち上がった若者が思いを語り合い、それを聞いた若者に感銘を与えています。戦争と平和の資料館「ピースあいち」(名古屋市名東区)が8日、シールズのメンバーらを招いた集いには中学生から戦争経験者まで約100人が参加しました。

 報告に立ったのは東京から駆け付けたシールズの元山仁士郎さん(24)、シールズ東海の岡歩美さん(24)、平和を考えあう「高校生未来プロジェクト」の実行委員長を務めた日比野和真さん(3年)。

 元山さんは沖縄県宜野湾市出身。沖縄戦を戦った祖父の銃痕を触った身体的記憶が活動の原点と語り、「安倍政権が立憲主義など日本の根本を壊しているとき、参院選へ野党がまとまれるよう、はたらきかけたい」と表明しました。

 岡さんはSNSで知らないもの同士が集い、シールズ東海を立ち上げ、広がってきたと紹介し「学習会もして街頭でアピールしていきます」と続きました。「戦後80年は迎えられるのだろうか」と動き出したという日比野さんは「同世代の無関心を関心に変えたい」と意気込みました。

 戦争体験の語り手の鈴木忠男さん(89)が発言し、若者の活躍を「平成維新」だと表現し「平和を永遠のものに」とエールを送りました。

 鈴木さん含め戦争体験者8人の写真と思いをまとめた作品を作った名古屋学芸大学3年の森本瑞生(みずき)さんも発言。「これまで自分のことに必死で、世の中のことを考えられなかった。平和への思いを聞いて、つなげていかなければと思った」と心境の変化を紹介しました。

 話を聞いてみようと参加した若い世代にも共感が広がりました。「行動してくれている人がいるなら私はいいかな」と思っていた女子中学生(3年)は親に誘われ参加しました。話を聞いて「間違ったことには声を出さないと、また戦争になってしまうかもしれない」と前を向きました。

 ツイッターで知って来た女子学生(20)も、これまでデモに参加したことはありませんが、「行動している人の中には流されてやっている人もいると思っていたけれど、個人それぞれが思いをもってやっているとわかりました」と語り、「友人に知らせて問題を身近に感じてもらえるきっかけをつくりたい」と話しました。

 安保法制を文化祭で取り上げた東邦高校の生徒や安保関連法に反対するママの会からの発言もあり、各世代から「勇気をもらえた」などの感想が寄せられました。

(11月13日 「しんぶん赤旗」東海・北陸信越のページより)