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愛知 党県議誕生で様変わり

 
わしの県議「双方向で県政変える」
下奥県議 「次はブラック企業問題」

 愛知県議会に12年ぶりの日本共産党県議が誕生し「何でも賛成」から「討論する議会」へと様変わりしています。

 名古屋市内で3日、党県議団主催の県政懇談会で、わしの恵子県議団長は5月の臨時議会からの3カ月を振り返り、こう語りました。

 「30団体近くの方と懇談を重ね『やっと請願が出せる』『県と交渉ができる』との声が寄せられ、たくさんの県民の期待に身が引き締まる思いでいっぱいです」

唯一20代議員

 下奥奈歩県議は、ただ1人の20代議員。5月臨時議会では、県営名古屋空港内にゼロ戦や国産ジェット旅客機MRJなど、税金を使って三菱のための展示施設をつくることを追及しました。名古屋や豊橋など、空襲被害を受けた愛知県でゼロ戦展示をすることは戦争美化につながらないかと堂々質問。下奥県議は「県民のゼロ戦への不安に県が全く答えず、私の質問に同じ回答を繰り返したことに驚いた。本会議では、わしのさんが反対の立場で質問に立ち、自民党は賛成の討論で、文字通りの自共対決でした」と振り返ります。

 わしの県議によると「共産党が県議会で議論をするようになり、メディアからも?やっと県議会の記事が書ける?と喜んでいた」というほどでした。

二人だけ起立

 
 6月議会の最終日。国に戦争法案廃案を求める意見書提出の請願では、102人の県議の中、共産党県議だけが起立賛成しました。「広い本会議場。2人だけ起立するのは震える思いでしたが、私たちの背中には県民の願いがあります。だから堂々と立つことができた」と、わしの県議がしみじみ語ります。

 県政懇談会では、参加者から次々要望も出ました。「愛知は有数な農業県だがTPPで不安」「最低賃金を1000円にできないか」―。

 下奥県議は「農家や酪農家を訪問するとTPPへの不安が強く、『自分の代でやめる』という方がいました。愛知の農業を元気にすることで地域経済も元気になるので、その立場で力を尽くしたい」と答えました。

 9月議会の一般質問でブラック企業問題を取り上げる予定の下奥県議は「若者が自信を持って働ける環境をつくるのが大切だと思っています。時給1000円にすると苦しい中小業者さんには助成させるよう働きかけたい」と力を込めました。

 設楽ダム中止、文化施設充実、特別養護学校のマンモス化問題など、12年間にたまりにたまった県民要求が出され、両県議が一つ一つていねいに回答。わしの県議は「たくさんの宿題をいただきました。私たち2人は毎日てんてこまいな状況ですが、みなさんの力を借り双方向にがんばることで、愛知県政をよくしていきましょう」と、発言をしめくくりました。

(8月6日)