ダムで貴重な自然環境を壊さないでほしい―。本村伸子衆院議員は17、18の両日、愛知県設楽(したら)町の設楽ダム建設予定地に調査に入り、周辺住民や住民団体と意見交換しました。住民側からは「アサリ日本一の三河湾への影響が心配」「水は余っている。建設に固執するのはムダ遣い」など、懸念する声が相次ぎました。
調査には、わしの恵子、下奥奈歩の両愛知県議と田中邦利設楽町議らが同行。「設楽ダムの建設中止を求める会」の市野和夫代表らと懇談しました。
ダム本体建設予定地の寒狭川(豊川本流)を訪れた一行は「美しい清流で本当に素晴らしい」「谷底から129メートルものコンクリートの壁ができるなんて想像もできない工事だ」と一様に驚き。予定地は、伊勢三河湾周辺河川の固有種で天然記念物に指定されているネコギギ(なまずの一種)の生息地です。「貴重な自然環境を壊してまでダムをつくる必要はない。子どもたちに残したい」と口々にのべました。
設楽ダムは愛知県の豊川水系上流に計画される総貯水容量9800万立方メートル、完成すれば愛知県一の大きさになります。
本村議員は懇談で、「国は『県がこれだけの水が必要と言っているから建設する』といっているが検証は不十分。本当に必要なのか国・県・自治体でも検証しなくてはいけない。住民のみなさんの声をしっかり受け止めて国会論戦にのぞみたい」と、あいさつ。
住民は「ダムで水や砂利を止めると、愛知県下有数の清流が死んでしまうだけでなく、下流では全国一のアサリの産地への影響が心配」と、環境・漁業面で心配する声があがりました。
国交省がダム容量の6000万立方メートル分を「流水の正常な機能の維持」のため必要としていることについては「ダムで水をせき止めておきながら、川に水を流すために貯めるという非常識な理屈だ。水は余っている」と批判しました。
わしの県議は「みなさんの話をうかがい必要性のないムダな公共事業だと痛感しました。愛知の豊かな財政力は県民が本当に必要とすることに使い、すばらしい清流をこのまま残してほしい」と訴えました。
下奥県議は「反対と思っても町が分断されるから言えないなど、住民の複雑な思いがわかりました。みなさんの力を借りながら計画阻止のために頑張りたい」とのべました。
(5月20日)