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「黒煙は無害」事実か? 公害総行動愛知県入り 新日鉄住金を追及

 
 全国公害被害者総行動の全国キャラバンが14日、愛知県入りし交流の集いを開くとともに、15日には県と名古屋市、新日鉄住金名古屋製鉄所に要請行動を行いました。

 公害総行動は、全国の被害者が救済・公害根絶のために共同して立ち上がった運動で、今回で40回目。今年2月、初めて全都道府県を回る全国キャラバンを展開し、自治体などに申し入れをしています。

 昨年1年間に黒煙・爆発など6回の重大事故を起こした新日鉄への要請には、愛知県労働組合総連合の榑松佐一議長や同製鉄関係者、周辺住民ら11人が参加しました。

 14年1月の黒煙事故の際、会社側が「無害化した煙」の放出だとしたことについて、事実と違うのではないかと追及。当日の構内放送で「生ガスを燃焼放散(無害化)させようとしたが、異常のため生ガスを放散しているので屋内待機するよう」と注意喚起されたと、関係者が証言していることを指摘しました。

 応対した製鉄所側は「燃焼放散し無害化した」とのべ、構内放送の内容には明確な回答を避けました。それにたいし参加者が「消防庁の報告にも『コークスガス(生ガス)の放散を実施』となっている。消防庁が間違っているのか」と重ねて追及。会社側は「内容について確認したい」と述べるにとどまりました。

 降下ばいじんの問題では、目標値を自ら設定し対策を求めるとともに、「一番苦しんできた地域の声を踏まえた結果が出るようにすべきだ」と求めました。

 県・名古屋市への要請では、リニア新幹線の住民への影響が懸念されることから、相談窓口の設置などを求めました。

(5月16日)