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税金は戦争ではなく福祉に ~ 介護・保育・障害者団体が交流会

 
 「安倍政権は福祉予算削るな」「税金は軍事費でなく福祉のために使え」―。名古屋市で介護や障害者施設の利用者・家族から、安倍政権の社会保障費の大幅削減に怒りの声があがりました。愛知県内の介護や保育、障害者など、15団体でつくる「福祉予算削るな!福祉を金儲(もう)けにするな!県民集会実行委員会」と「愛知・社会福祉事業のあり方検討会」の2団体が共同で開催した春の学習交流会(2日)には350人が参加しました。

 石井一由記実行委員長は安倍政権が今年度予算で福祉予算を削る一方、軍事費を拡大したことを批判。今国会には社会福祉法の一部「改正」案提出しようとしていることをあげ、「学習会を力に社会保障制度充実をめざし運動を広げよう」と訴えました。

 42年前に行政の支援がないなか無認可から障害者作業所づくりを始めた磯崎明美さんは、廃品回収、バザーなどで資金を集めた経験を語り、「現在は行政から補助金を受け4つの作業所を運営しているが、運営費のねん出に四苦八苦し、借入金返済に追われている。補助金削減につながる国の福祉予算削減は許せない」と怒りの声をあげました。

 全国福祉保育労働組合東海地方本部の寺坂渉委員長は、社会福祉分野の労働者が低賃金で人手が集まらない深刻な事態に直面していることを紹介。「福祉予算削減でいっそう運営が厳しくなり低賃金や非正規が進む。社会保障制度を充実し、働き続けられる環境をつくるべきだ」と語りました。

 生活保護基準引き下げ反対愛知連絡会の森弘典弁護士は生活保護基準引き下げが地方税課税や国保料の減免基準、就学援助や最低賃金など多くの社会保障制度に影響をあたえることを述べ、「憲法25条に保障されたセーフティーネットを守るために共にがんばろう」と訴えました。

 学習会では、峰島厚・立命館大学特任教授が「権利としての社会福祉~社会福祉法人改革の本質を見極めよう」と題して講演。峰島氏は「安倍政権の改革の狙いは、福祉全般の大改悪で、福祉のさらなる市場化、大企業の参入を推進し、国の社会保障費の大幅削減」と指摘し、「大企業の暴利のための憲法25条破壊は許されない」と強調しました。

 木全和巳・日本福祉大学教授は「今回の『改正』は社会保障費を削減し軍事費を増やすためのもの。戦争に向けた新たな『国家総動員法』といえる。貧困と格差拡大反対、消費税増税反対、戦争に反対する人たちなど多様な人たちと手をつなぎ阻止しよう」と呼びかけました。

 県民集会実行委員会は10月に福祉予算削減反対の大規模な県民集会を計画しています。

(5月9日)