生活保護費の引き下げは生存権を保障する憲法25条の理念に反するとして、愛知県内に住む生活保護受給者16人が国や自治体に取り消しなどを求めた裁判が20日、名古屋地裁で始まりました。
原告は昨年7月、名古屋、豊橋、刈谷、高浜の4市に引き下げの取り消しを、国に対して一人1万円の慰謝料支払いをそれぞれ求めて提訴。
第一回目の口頭弁論で、名古屋市在住の男性原告(60)は「朝は食パン一枚、昼はインスタント麺、夜は300円程度の惣菜とご飯だけ。こんな生活では将来に夢が持てない」と訴えました。
一方国側は、原告の訴えを棄却するよう求めました。
支援者ら約220人が詰めかけ、傍聴席に入りきれなかった人たちが外で裁判を見守りました。
裁判に先立ち、原告弁護団の森弘典事務局長らが愛知県庁前で、「生活保護基準の引き下げは、保育料や就学援助、住民税などさまざまな基準に影響をおよぼします。すべての国民が人間らしく生きる権利を守るため、一緒にたたかいましょう」と呼びかけました。
(3月24日)