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【リニアを止めよう 愛知県連絡会が学習会 大深度以下など問題山積

 
 「リニアはまだ着工したとは言えません。やめさせましょう」。リニアを考える愛知県連絡会が初めて開いた学習・交流会(14日)で日本共産党の本村伸子衆院議員が強調しました。名古屋市の日本特殊陶業市民会館に立ち見の出る110人が集まり、問題点、運動方向などを学びあいました。名古屋新幹線公害訴訟弁護団事務局長の高木輝雄弁護士も報告しました。

 本村氏は「JR東海は安全祈願式(昨年12月17日)を済ませリニア建設が進んでいるように雰囲気づくりをしていますが、クリアしなければならないことが多い」と指摘。
 問題の一つに大深度地下使用法をあげました。リニアは愛知県内ではほとんど大深度(地下40m以深)を走ります。大深度地下の使用については国交相の認可が必要です。使用権が認められれば直上の地権者には何の補償もされないとしています。
 本村氏は民法207条に所有権は「その土地の上下に及ぶ」とあることを指摘し、権利を主張していく根拠を示しました。
 JR東海はまだ、大深度法の認可申請をしておらず、工事で出る残土の行き場も愛知県内ではまだ決まっていないことも紹介。「国会の初質問で取り上げ、みなさんの運動とともに着工阻止へがんばる」と表明しました。

 高木氏は「新幹線公害訴訟は騒音被害が明らかになってから運動が始まった。リニアはまだこれから」とエールを送り、「被害を客観的に示すことが大事」とアドバイスしました。

 日本共産党の議員らも発言。わしの恵子名古屋市議(西区、県議候補)は土地買収交渉に市職員が動員させられていることを紹介し、「職員全体の人数は減らされており、ほかにしわ寄せがくる」と市の姿勢を批判しました。藤井ひろき市議候補(中村区)は「JRは測量などの後に土地取得と言いながら、すでに駐車場だった所を取得している」と告発しました。
 瀬戸市の原田学市議は残土埋め立て候補に陶土採掘跡地が挙がっていることに「市長も埋めてと言っていない。誰が求めているのか」と疑問を呈しました。春日井市の伊藤けんじ市議はトンネル掘削によって地下の亜炭鉱跡が崩落する危険を指摘しました。

 県連絡会からは、沿線7都県で活動するリニア新幹線沿線住民ネットワークに加盟したことが報告され、同ネットが認可取り消しの行政訴訟を起こす予定であることも発表されました。

 参加者からは「JRは関西線の複線化など在来線にお金を使って欲しい」「自然保護団体などいろんな団体に参加してもらおう」との発言もありました。
(2月19日)