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”地域医療を守ろう” 愛知県社保協が交流会

 

 愛知県社会保障推進協議会は21日、名古屋市内で「地域医療を守る」をテーマに交流会を開き、安倍政権の医療改悪から地域医療を守り充実させる取り組みなどを話し合いました。
 愛知県内では公立病院の統廃合、民間譲渡、機能縮小が相次いでいます。開会あいさつで小松民子事務局長は「安倍政権の医療・介護戦略の本質や狙いを学び、安心できる地域医療にむけた運動をすすめよう」と訴えました。

 全国保険医団体連合会の寺尾正之・前事務局次長が「政府の2025年構想が地域医療に及ぼす影響」と題して基調講演。寺尾氏は政府が検討している医療・介護施策の内容を報告し、「医療・介護費を抑制するため、『病院・施設から地域・在宅へ』が基本方向。来年から具体的な『医療・介護改悪法案』が検討される。地域から『医療・介護の改悪許すな』の声をあげよう」と強調しました。

 特別報告で豊田市の南部地域に市立総合病院建設を求めて運動している男性は「高齢者は高額のタクシー代を払って遠くの病院に行っている。全国有数の財政力を誇る豊田市が病院を建設できないわけがない。1万人を目標に署名運動に取り組んでいる」と述べました。

 名古屋市中村区の「城西病院を良くする地域医療を考える会」の松本征也事務局長は「市立城西病院は3年前に民間譲渡されたが会の運動を続けている。新しい民間病院と定期的に懇談し、地域の要望を伝えている。地域と病院が共同して防災計画をつくることになった。老人会や新婦人の催しなど、病院のフリースペースが使用できるようになった」と報告しました。

 会場から、愛知県の10万人当たりの看護師数が全国最低クラスの43位で、県の看護師確保対策の予算は年10億円と「他県に比べて少なすぎる」との発言がありました。
豊橋市民病院の深刻な職員不足も紹介され、「看護師は月10日以上の夜勤があたりまえになっていて限界状態になっている」と報告。国立病院が独立行政法人になって、長寿医療研究センター(大府市)や東名古屋病院(名古屋市名東区)の老朽化した病棟が資金不足で建て替えできない状況も紹介されている。

                                 (2014.9.24)