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”侵略戦争工程の教科書 子どもに渡瀬ません” 執筆者・教師・父母らが集会

 

 「安倍『教育再生』は子どもたちをどこへ連れていくのか」「いま教科書はどうなっているのか」 名古屋市で22日、教科書の執筆者、現場の教師、父母がパネルディスカッションをおこないました。

 参加した約70人が、憲法と教育を守るためにどうしたらいいのか、ともに考えました。

 主催は、憲法の理念を生かし、子どもと教育を守る愛知の会(憲法と教育を守る愛知の会)と「戦争を肯定する教科書」を渡さない市民の会(教科書市民の会)。
 
 教科書市民の会の中村但氏が開会あいさつし、「安倍『教育再生』のねらいは『戦争をする国』の兵士とそれを支える国民をつくることです。とても子供の未来をたくすことはできません。安倍内閣の教育への圧力が強まるなか、憲法と教育を守るため運動を広げよう」と訴えました。

 小学校の社会科教科書を執筆している中妻雅彦・愛知教育大学教授が講演しました。
教科書検定の仕組み、教科書出版社の実態、執筆での苦労話などを説明し「教科書は国のためにつくるのではありません。子どもの生活に結びついた、子どもの視点にたった教科書づくりが大切です。」と強調しました。

 高校で日本史を教えている教師は、家永教科書裁判の意義を強調し、「裁判では『教科書検定制度』は合憲とされたが、南京大虐殺や旧満州731部隊が教科書に掲載されるようになった。黙っていたら国のいいなりになる。声をあげ運動を広げることが大切」と語りました。

 中学校教師は、教科書社会による表現の差をあげ、侵略戦争を肯定はしていなくても『満州事変が始まりました』と『満州事変を始めました』の2通りあることを指摘。『始まりました』は日本軍の侵略性があいまいになり、『始めました』が正確だと述べ、「現場から『正確に表現せよ』と声をあげよう」と呼びかけました。

 小学生の子どもをもつ母親は、教科者の展示会に行き、育鵬社に比べ神話や天皇など皇室の記述が多いことを報告。「侵略戦争の美化だけでなく、原発についても『クリーンなエネルギー。これから広がる』と書いている。安倍首相の意図に沿ってつくったみたい」と述べました。
 
 中妻教授が助言発言し、「保護者をはじめ多くの人が教科書を知ることは大切。展示会に行って意見を出してほしい。採択に現場で苦労している教師が関われないのも問題」と語りました。

 名古屋市の教科書採択は、今年度が小学校の社会、来年度が中学校の公民です。
参加者から、「『南京大虐殺はなかった』と発言した河村たかし市長のもとでの来年の教科書採択が大変心配。侵略戦争を肯定する『歴史教科書』の採択阻止の運動も広げていきたい」との発言がありました。

 ほかにも「学校行事で国旗、国歌の指導が強まっている」「平和憲法の記述が少なくなっている。安倍政権の圧力で戦前の国定教科書になりかねない」、「少子化で発行部数が減り、教科書会社の経営が苦しく、国のいいなりになりやすい」、「親として子どもの教科書に無関心でいられない。戦争反対や憲法守れと書いている教科書を使ってほしい」などの意見が出されました。