「笑おう、学ぼう、つながろう」を合言葉に、学費の公私格差のない公平な教育をめざす愛知県内の高校生らが5日、「新入生歓迎フェスティバル」を、名古屋市の南山大学キャンパスで開きました。
主催は「愛知県高校生フェスティバル実行委員会」。公立・私立高の枠を超えて毎年開催しているものです。今回は14都府県からつどった高校生らも含め1万5000人が参加しました。
生徒たちによる数多くの模擬店が並ぶなか、教育評論家の尾木直樹さんを招いた企画「高校生サミット」やそれぞれの学校紹介をおこない、雨の中で1000人群舞を披露しました。
1000人の高校生がいっせいに舞う群舞は、大震災の被災地支援も掲げておこなう「希望プロジェクト」のひとつです。「暗闇に向き合って行動すれば光は見える! つながりが勇気になる!」の呼びかけとともに開始され、雨で足場の悪い中、生徒たちは靴や制服に泥をはね飛ばしながら掛け声をあわせて踊りきりました。
今回で最後の群舞担当を務めた氷見優佳さん(愛知県立千種高校3年)は、演舞のあと退任を惜しむ後輩たちと抱き合いました。「友達が経済的なことで私学に行けなかったのがフェスにかかわるきっかけでした。群舞はたくさんの人の支えがあってできること。みんな泥の中で一生懸命踊ってくれて感動したし、後を継ぎたいと言ってくれる新入生もいてうれしい」と笑顔を見せ、後輩たちに「私よりすごい群舞を」と託しました。
「高校生サミット」では、県内外の高校生たちが日ごろ思っていることやこれまでの活動などを報告。「社会をメディアなどのフィルターを通さず自分の目で見たい。どんな生き方がいま求められているのか」「学ぶ権利は憲法で認められているのに実現されていない」などの悩みや疑問も出されました。
尾木さんは、時代や社会から求められる「学び」でなく、自らの要求に基づいた「学び」を実践し、一人ひとりが主役になってほしいと語りかけました。
フェス実行委員長の奥富南帆さん(名古屋市立名東高校3年)は、「愛知の私学助成が1・8%増えたけど、背景には私たちの運動があったと報道された。教育や憲法のことも積極的に学び、社会に発信していこう。私たちが希望になろう」と呼びかけました。