原爆症認定訴訟など被爆者を支援している、あいち被爆者支援ネットワークは10日、名古屋市千種区で総会を開き被爆者、支援者ら70人が参加しました。総会では新たな原爆症認定訴訟(ノーモアヒバクシャ愛知訴訟)支援や原爆症認定基準の抜本的改定をめざし運動を広げることを決めました。
総会冒頭にノーモアヒバクシャ愛知訴訟の高井ツタヱ、川本信夫の両原告があいさつ。弁護団の樽井直樹事務局長が愛知訴訟の経過や現状を報告し、「昨年末に国は認定基準を改定したが、被爆距離や入市時間などの基準を厳しくした」と批判し「国の認定審査を抜本的に改め、福島原発被害者らともに運動を取り組むなどつながりを広げることが必要」と強調しました。
討論では「区内に住む高井さんの裁判支援のため募金や傍聴に取り組んでいる。毎月の6・9行動も欠かさずやっている」(名古屋市・緑区原水協)、「来年開かれる核不拡散条約(NPT)再検討会議にむけ、学園内外で署名に取り組むとともに、国連への要請行動に多くの学生を送り出したい」(日本福祉大学2年生)などの発言がありました。
総会に先立ち東京の代々木病院嘱託医の中澤正夫医師が「ヒバクシャの心の傷を追って」と題して記念講演を行いました。中澤医師は現在おこなっている東日本大震災や福島原発被災地への医療支援に触れ「3年たった今もPTSD(心的外傷後ストレス障害)の人が多い」と述べ「被爆者は70年近くたってもPTSDを病んでいる。国の原爆症認定基準に癌や甲状腺は含まれるがPTSDなどメンタルな病気は全くない」と問題点を指摘しました。