愛知、岐阜、三重3県で生活困窮者の相談・支援を行っている、東海生活保護利用支援ネットワークは7日、名古屋市熱田区で総会を開き、生活保護制度の切捨ての実態調査などにとりくむことを決めました。
同ネットは弁護士や司法書士などの専門家、一般市民が参加して6年前に発足。週2回の電話相談や支援者向けの研修会、判例勉強会を開いてきました。これまでに寄せられた相談は1854件で、失業や病気のために、生活保護の受給を希望する30代、40代が多いのが特徴です。
内河惠一代表(弁護士)はあいさつで、「安倍首相は社会保障の切り捨てや消費税増税、派遣労働の規制緩和で、社会的に弱い立場の人たちをいっそう苦しい状況に追い込もうとしている。今年は正念場。一致団結して一歩でも二歩でも社会をよくしていこう」と呼びかけました。
活動報告と提案にたった森弘典事務局長(弁護士)は「福祉事務所の窓口で『仕事がないのは自己責任』『ホームレスになれ』などの暴言や違法と思われる対応を受けた人が相談者の半数以上にのぼっている。生活保護を受給している人でも不当な打ち切りや削減を通告されるケースが多い。実態調査や福祉事務所へのアンケートを行い、生活保護行政の改善に向け提言・要請を行っていきたい」と述べました。
森川清弁護士が昨年12月に成立した生活困窮者自立支援法をテーマに講演。「最低賃金を下回る『中間的就労』の名で、生活保護を受ける権利が奪われる恐れがある。行政に対する監視を強め、判例に従った生活保護支援を求めていく必要がある」と述べました。
会場発言では、生活保護を受けているシングルマザーが「保護費だけでは、育ち盛りの子どもを食べさせ、勉強や部活など普通の高校生生活を過ごさせることはできません。力を貸してください」と訴えました。
内河代表、森事務局長が再任されました。
*電話相談は毎週火・木曜日午後1時から4時まで、052(911)9290*