「リニア中央新幹線を建設する大義はあるのか? 名古屋のまちづくりはどうなる?」。日本共産党市議団が8日、市内で開いた学習交流会には雪降る中90人余が参加し考え合いました。
党政策委員会副責任者の寺沢亜志也氏がリニア計画の問題点を講演し、山口清明市議が市のまちづくり構想を批判し報告しました。
寺沢氏は「東京から名古屋まで44分なら確かに通勤できるが、定期代は推計月24万円にもなる、いったいどれだけの人が使うのか」と問題提起。
東海道新幹線の利用率が20年間横ばいなうえ、電力消費は3・5倍にもなることを紹介。「9兆円もの巨額費用投じて建設する大義はない。急がれる東海道新幹線の耐震・津波対策が犠牲にされてしまう」と述べ、国民的議論がなく理解ないまま突っ走る計画を批判しました。
山口氏は市が長期的なまちづくりの展望を示した「次期総合計画中間案」でリニア開業により、人も資産も東京に持って行かれる「ストロー現象」を懸念していることを紹介しました。すでに231億円つぎ込んでいる名古屋駅前再開発にさらに同額の構想を掲げていることを示し、「駅前一極集中でアンバランスなまちづくりとなり、防災上の懸念も増える。計画そのものを冷静に検討しよう」と呼びかけました。
会場からも活発に意見が出されました。
「木曽川の伏流水の水脈を断ってしまうのでは」「海外に売り込むための?実験線?のつもりか」「大変な再開発がされるが、2027年に開通しなかったらどう責任を取るのか」など無責任に進められる計画への批判が続きました。
名古屋大学名誉教授の柘植新氏からはJR東海が車体に給電するシステムを実用化できないことが紹介され、「基幹技術さえ未確立なリニア計画は止めるしかない」との指摘もありました。
参加者からは「関西線の複線化など在来線の充実が大事」(男性60代)「なぜそんなに速く走る乗り物が必要? 反対の意志を市議会選挙で表したい」(女性70代)などの感想も寄せられました。