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名古屋で第18回1.17震災フォーラム

 

阪神・淡路大震災や東日本大震災から教訓を引き出すための「第18回1.17震災フォーラム」が11日、名古屋市の国際会議場で開かれ、60人が参加しました。

 愛知県労働組合総合連合、名古屋市消防職員の会、東海自治体問題研究所などでつくる実行委員会の主催。

 東日本大震災の被災3県を取材し、NHKスペシャル「巨大津波 その時ひとはどう動いたか」を制作した大島隆之氏が講演しました。

 大島氏は沿岸部の被災者を聞き取り調査し、被災発生時の行動を分析。心理学者の意見も紹介しながら、津波に対する「判断ミス」をした人の多くが地震発生後の「非日常の状況」を認めたがらないという「心の罠(わな)」に陥っていたと報告。

 今後の対策として「人間はすぐに変化に対応できないもの」だと認識し、災害時の行動マニュアル作成や、避難所に正確な情報発信機能を整え、何かあればまず人が集まる場にしておくなど、住民の内面に働きかける必要があると結びました。

 会場からは、「町内会レベルで要介護者の住居を把握し、顔が見える状況をつくっておく必要がある」「名古屋では救急患者が運び込まれる頻度の高い病院がゼロメートル地帯に集中している。医療機関の立地も考えなければならない」などの意見が出されました。