社会保障制度の充実をめざして自治体と話しあう、愛知自治体キャラバンは18日、名古屋市と懇談しました。日本共産党の岡田ゆき子市議が同席しました。
県社会保障推進協議会の久保田武副議長はあいさつで、「国が社会保障制度の全面改悪をすすめるなか、住民にとって一番身近な存在である地方自治体が、市民生活の立場にたって現行水準を維持・充実に努力してほしい」と語りました。
参加者は、生活保護受給者が通院に必要な交通費を支給される「通院移送費」について質問。生活と健康を守る会の代表は、受給者からの相談事例をあげ、「深夜に発病した子どもを病院に連れて行くためにタクシーを利用したところ、区役所に移送費として認めてもらえなかったという。公共交通機関が利用できない場合、タクシー代も認めるべきではないか。少なくとも本人が納得できるようていねいに説明してほしい」と求めました。
市側は「法規定に照らして個々の状況を確認する必要がある。受給者が納得できる対応をするよう、全行政区の担当者会議等で周知徹底したい」と答えました。
国民健康保険法では、保険料の滞納で資格証明書(窓口10割負担)が交付されている人でも、病気や負傷などの「特別の事情」があれば保険証が交付されることになっています。しかし名古屋市は風邪を患った人には適用していません。市担当者が、「医師から3カ月以上就労が不可能であると診断された場合だ」と回答したため、参加者から「むちゃくちゃだ。病気が悪化したらどうするのか」「法の趣旨から逸脱している。市は国の見解をどう認識しているのか」などの批判の声が相次ぎました。
市は国の見解を確認した上で、文書回答し、改めて話し合うことになりました。
このほか、生活保護基準引き下げにともなう諸制度への影響の調査と対策、介護保険料・利用料減免制度の創設、敬老パスの現行制度維持・拡充などの要望が出されました。