「高齢者の生活はもう限界。後期高齢者医療制度は廃止せよ」-。後期高齢者医療制度の保険料決定処分などに不服があるとして、愛知県在住の被保険者約500人が5日、名古屋市で県後期高齢者医療審査会に集団で審査請求しました。全日本年金者組合、新日本婦人の会、生活と健康を守る会、障害者(児)の生活と権利を守る連絡協議会の4団体が呼びかけたものです。
病院通い増え負担が重い
制度導入以来2年ごとに値上げされ、愛知県の1人あたりの平均月額保険料は、全国平均(5561円)を大きく上回る6684円。
提出した尾崎純さん(83)=緑区=は「年をとれば病院に通う機会が増えるのは当然なのに、重い負担を強いるのは許せない」。加藤尚允(なおみつ)さん(78)=守山区=は「年齢で差別されるのは納得できない。法の下の平等を明記した憲法に反している。一刻も早く廃止すべきだ」と語ります。
同請求は本人だけでなく代理人による提出も認められ、郵送も可能。請求を受理した審査会は「弁明」を行わなければならず、請求者は「反論書」や口頭で意見を述べる場が保障されています。各団体は請求運動を大きく広げて、高齢者の思いを行政に示そうと呼びかけています。
制度の廃止へ運動を大きく
参加者は審査請求に先立ち、県庁前で後期高齢者医療制度の廃止や社会保障改悪の阻止などを訴えました。
伊藤良孝・年金者組合県本部委員長は「年々、年金は引き下げられ、負担ばかり増え、高齢者の生活は限界。この上消費税を上げられたら生きていけない。後期高齢者医療制度の廃止をめざし、運動を大きく広げよう」と訴えました。
南区生活と健康を守る会の伊藤邦男会長は「本来国が責任を負うべき医療や福祉を、個人の責任に転嫁するのは言語道断」と語気を強め、新婦人県本部の村瀬美香事務局長は「社会保障の相次ぐ改悪で『このままでは安心して長生きできな』の声は切実。力を合わせて改悪を阻止したいと語りました。
愛障協事務局の藤井信明さんは、障害者差別解消法に触れ、「障害者差別はまったく解消されていない」と述べました。県社会保障推進協議会の小松民子事務局長、愛知県労働組合総連合の榑松(くれまつ)佐一議長も訴え、日本共産党名古屋市議団が激励あいさつしました。(9月7日)