戦跡巡りで熱田空襲の爆弾痕が残った壁を見る青年たち
愛知県の青年労働者や学生らでつくる「若者平和ネットワーク」は、原水爆禁止世界大会報告会を開き、24人の青年学生が参加。その後、市内の戦跡巡りも行ないました。
同ネットは「平和運動や企画の共同の取り組み、運動の交流を日常的にやろう」と今年5月、愛知県平和委員会・青年学生部、愛労連青年協、民青同盟愛知県委員会などの呼びかけで結成されました。
報告会で、大村義則・県原水協代表委員が世界大会の意義や今後の運動について説明しました。
世界大会に初めて参加した学生(19)は「『原爆体験を聞く』分科会に参加した。ひどい差別や偏見のなかで苦労した思いがひしひしと伝わった。『核廃絶』のため辛い体験を語る姿に感激した。自分も様々な取り組みに参加したい」。保育士の女性は「福島県から参加した学生が福島原発事故での避難生活や放射能による健康不安について報告していた。保育士として未来を担う子どもたちに『原発の危険性』を伝えることが大切だと思った」と話しました。
今年4月に社会人になったばかりの江南市の男性は「職場や地域の人たちが十数万円の募金を集めて送りだしてくれた。地元での報告会や地域での署名運動をやっていきたい」。動く分科会で米海軍・佐世保基地に行った男子学生(19)は「案内の人から有事になれば、直ちに出撃できる体制になっていると説明された。日本が米軍の海外出撃の拠点になっている状況がよくわかった。沖縄も含め基地のない日本をめざし運動したい」と語りました。
戦跡めぐりは、3コースに分かれました。
熱田区コースでは、「熱田空襲」の跡地を訪れました。1945年6月9日、米軍の爆撃により2187人が死亡しました。多くの爆弾痕が残るコンクリ壁の前で青年らは「自分は隣の瑞穂区に住んでいる。こんな身近なところに戦跡があるなど知らなかった」「資料を見ると熱田空襲では中学生ら勤労学徒が218人も亡くなっている。日本は二度と戦争をしてはいけない」「コンクリが劣化し爆弾痕が崩れる可能性がある。他の戦跡も同様。『戦争の悲惨さ』を伝えるため保存に取り組む必要がある」と口々に述べました。
同ネットは今後、核兵器廃絶、原発ゼロをめざし宣伝や署名行動を計画しています。(8月28日)