第23回参議院選挙の結果について
2013年7月23日 県常任委員会
一、7月21日投票の第23回参議院選挙で、日本共産党は、改選3議席から8議席に大躍進し、15年ぶりに前進に転じました。比例代表選挙では、改選3議席から5議席となり、「5議席絶対確保」の目標を達成しました。選挙区では、激戦を制し、東京、大阪、京都で議席を獲得しました。日本共産党が推薦した沖縄選挙区(改選1)の糸数慶子氏は自民党にうち勝って当選をはたしました。参議院の国会議席は非改選議席と合わせて11議席となり、9年ぶりに議案提出権を獲得するに至りました。これは、安倍自公政治の暴走にストップをかけ、「国民が主人公」の新しい政治をつくる、重要な反転攻勢の一歩であり、1970年代、1990年代後半に続く?第3の躍進の波?の始まりともいうべき歴史的意義をもつものです。
愛知選挙区では、最後まで3議席目をみんなの党と維新の会の候補と競り合うという大健闘をしましたが、残念ながら議席獲得にはいたらず、惜敗しました。
日本共産党と候補者に一票を寄せられたすべての有権者に心からお礼を申し上げます。また、猛暑の中、昼夜分かたず奮闘された、すべての支持者のみなさん、「しんぶん赤旗」読者、後援会員、党員のみなさんに心からの敬意と感謝を申し上げます。
そして、愛知選挙区で議席奪還というチャンスを結果に実らせることができなかったという残念な結果に党の力不足を痛感していますが、選挙区でのたたかいは今後につながる貴重な土台をきずきました。捲土重来を期して、党の力を蓄え、次こそ議席奪還をかちとるために全力をあげる決意です。
1、今回の参議院選挙は、直前に行われた東京都議選での大躍進で、日本共産党への有権者、マスメディアの見方が大きく変わり、「自共対決」という真の対決構図が鮮明になりつつある中で、たたかわれました。
政治論戦では、志位委員長が公示日の第一声で明らかにした、自民党と対決し、抜本的対案を示すという立場で「4つの転換」(?国民の所得を増やして景気回復をはかる政治へ、?「原発ゼロの日本」へ、?憲法を守り生かした政治へ、?「アメリカいいなり政治」からの転換)を訴え、日本共産党を伸ばせば、日本の政治は変わるということを大きく打ち出してたたかいました。もとむら選挙区候補も、この4つの転換を基本に、八田元参院議員の秘書として6年間、海上の森・藤前干潟を守ったこと、11年で、1900億円を超えるサービス残業代を支払わせた活動を紹介し、「内部留保を、働く人と中小企業に還元せよ」「消費税上げるな、年金下げるな、庶民いじめを許さない」「原発ゼロの社会実現へ」「平和憲法を守り生かす」と訴え、アメリカいいなり、財界いいなり、歴史逆行に対して、体を張って、正面対決し、県民のいのちと暮らし守る議席をかちとる決意を訴えました。
政治論戦は、どの世論調査でも、半数近い県民が消費税増税、原発再稼働、憲法改悪に反対するなど有権者の切実な要求と合致し、気迫ある候補者の訴えが有権者の心をとらえ、訴えが届いたところでは、支持が大きく広がりました。志位委員長、市田書記局長が選挙中のべ3回、来県し、街頭で、井上さとし比例候補・もとむら選挙区候補とともに訴えましたが、どの街頭演説も多くの聴衆があつまり、日本共産党と候補者名のコールが起きるなど、日本共産党への新たな共感と期待の高さを示しました。マスコミも、「『反自民』層の不満の受け皿として共産党の存在感が増している」(毎日新聞7月18日付)と報道しました。
また、今回はネット選挙解禁のもとで、初めて行われた国政選挙でした。日本共産党は「ツィッターでの書き込みに反響が大きかったのは共産党の志位氏だ」(日本経済新聞7月20日夕刊)と報道されるように、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の活用に創意工夫をこらしました。県委員会も、県や候補者のフェイスブック、ツイッター、動画「今でしょ!日本共産党」、ライブ映像、メールマガジンなどに果敢に取り組み、新しい層への支持の広がりをつくりました。
1、今回の日本共産党の得票は、比例では全国で515万4055票(得票率9・7%)、愛知県では投票率が前回と比べて4・81ポイントも下がる中でも、26万4009票(得票率8・73%)を獲得しました。日本共産党の愛知県での比例票は、3年前の前回参議院選挙の比例票に対し、得票率を3・53ポイント増やし、得票も9万4578票増やしました。直近の国政選挙である2012年の総選挙の比例票に対しても、7万677票増やしました。その結果、全国では比例の改選3議席に対し、2議席増の5議席に前進し、県党もその前進と井上さとし氏の当選に貢献しました。
選挙区選挙では、27万1278票(得票率9・09%)を獲得し、3年前の前回参議院選挙に対し、得票率(3・05ポイント増)、得票数(7万7568票増)とともに増やしました。
これらは、この10年来の「二大政党づくり」など強力な反共シフトに抗しての、全党の長年の不屈の活動の積み重ねが実ったものであり、「一点共闘」の取り組みで、結びついた広い層からの支持が寄せられたものです。
今回の選挙は、比例、選挙区での激戦をマスコミが報道する中、「共産党シフト」が強められ、みんなの党の代表が繰り返し来県し、街頭から「何でも反対の党」などと反共攻撃を行い、もとむら候補の支持を抑え込む様々な動きが生まれました。日本共産党は、これらの攻撃に対し、果敢に反撃を行い、攻撃を上回る支持の広がりをつくる努力を行いましたが、力及ばず競り負ける結果となりました。
比例代表で全国650万票にふさわしく愛知で33万票の得票を得ることができなかったことと選挙区で競り負ける結果となった根底には、党の自力の問題があります。今回の選挙で、全党の立ち上がりをかちとり、すべての後援会員や読者に依拠して、目に見える宣伝とともに、対話・支持拡大の大波をつくれば、選挙区でも議席をかちとるチャンスが大いにありました。しかし、対話・支持拡大は目標の約7割にとどまり、3年前の参院選の到達にも及びませんでした。この間一貫して、党の自力を強めることに努めてきましたが、定数3の愛知選挙区で議席を争える党をつくりあげていく努力がさらに求められています。今回の選挙戦の教訓をふまえ、「支部を主役」にして党の自力を強める活動に全力をあげる決意です。
1、日本共産党は、今回の選挙の躍進を土台に、次の県議選をはじめとした地方選挙での勝利と、国政選挙でのいっそうの前進をかちとるために、党内外の意見を組みつくし、次の中央委員会、県委員会で選挙の教訓を明らかにし、今後の活動に生かすようにしていきます。
新しい政治情勢のもとで、日本共産党の果たすべき国民的役割はますます大きくなっています。新しい国会で、「対決者の党」「建設者の党」として、安倍自公政権とその補完勢力による暴走と正面から対決し、抜本的な対案を示して奮闘し、草の根で、様々な分野の国民運動との共同を強め、みなさんからいただいた議席を最大限に生かして、かかげた公約の実現に全力をつくす決意です。
以上