「輝け 子どもの笑顔! つなげよう 平和へのねがいを」―。4月に子ども・子育て支援新制度法にもとづき、国の「子ども・子育て会議」が設置されるなか、保育のあり方を考える「第19回あいち保育と子育てのつどい」が26日、名古屋市中村区の同朋高校で開かれました。
愛知保育団体連絡協議会(愛保協)などでつくる実行委員会が主催。同校体育館に保育士や父母が次々と訪れ、1000人以上が参加しました。
全体集会で実行委員長の水谷暎子氏は、安倍自公政権のもとで、発足した規制改革会議が、保育施設や保育士の配置基準の緩和、株式会社の保育所参入拡大を厚生労働省に求め、「認可保育所への株式会社参入拡大」で合意したことを指摘。「利益追求の保育所でなく、子どもが健やかに発達、成長できる保育をめざし運動を広げよう」と訴えました。
ジーナリストの猪熊弘子氏が「3・11」から未来の保育園を考える講演をしました。猪熊氏は、被災地の保育の現状にふれ、「心のケアを含め子どもに寄り添った保育が大切」と強調。「待機児ゼロ」になったと発表した横浜市の企業参入の実態を詳細に報告し「未来を担う子どもに最善の保育が必要。経済効率優先の企業参入は問題」と厳しく批判しました。
待機児童数が2年連続で政令市中最多だった名古屋市は、賃貸型保育所などの活用や公立保育園の定員超過入所などで待機児童を減らす取り組みをしています。民間・公立の保育所と保護者によるシンポジウム「保育園のいまと未来」が開かれ、子どもたちにとって保育が必要なのか、真剣に語り合いました。
参加者全員で「平和」をテーマにした歌を大合唱。「食の安全を考える」「親子で楽しむ人形劇」など25の講座・分科会で交流しました。
参加した名古屋市の保育士(33)は「名古屋市は公立保育園の統廃合、民営化をする一方で、待機児ゼロをめざし企業参加をやろうとしています。保育事業は公的責任でやるべきです」と話しました。
1歳の子どもを連れて参加した女性(30)は「育児休暇が終わるので保育所を探しています。狭い部屋に詰め込まれるような保育所は嫌です。私たち親もよい保育めざし声をあげることが大切です」と語っていました。(5月28日)