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ムダな公共事業やめよ 中部空港問う「中空ネット」が総会

 

 中部国際空港の開港から7年。中部国際空港・関連開発問題を考えるネットワーク(中空ネット)は9月2日、名古屋市で第8回総会を開きました。中部国際空港沖に名古屋港の浚渫(しゅんせつ)土砂の処分場にする計画や同空港の第2滑走路建設など今後の愛知県の空港のあり方について論議しました。

 あいさつに立った佐々木志津江運営委員(元常滑市議)は「中空ネットが伊勢湾の環境悪化や地域経済衰退など警鐘を鳴らしてきたが、その通りになった。その中で、愛知県は第2滑走路や空港へのアクセス道として西知多道路建設を推進しようとしている。無駄な公共事業をやめさせよう」と訴えました。

 日本共産党の林信敏元愛知県議が県の空港問題について報告しました。林氏は中部国際空港の6年連続の利用者減、県営名古屋空港の軍事利用増、南海トラフ地震に備えた中部国際空港の地震・津波対策の見直しが迫られるなど愛知県内の空港をめぐる問題は変化してきていると指摘。「空港沖に計画している名古屋港の浚渫土砂の処分場は第2滑走路建設につながる」と述べました。

 参加者からは「西知多道路建設は静かな住宅地の環境を破壊する。利用者が低迷しているので新たなアクセス道路は必要ない」「空港島北部で地盤沈下が起こっている。早急に対策が必要」「常滑市は空港開港により税収増を期待しさまざまな開発をしたが税収が伸びず破綻。財政はひっ迫し、福祉予算をカットした」など意見が相次ぎました。

 総会に先立ち、県水産試験場の岩田靖宏漁場環境研究部長、県農林水産課の黒田伸郎課長補佐が「愛知の漁業の歴史と実態、今後の展望について」と題して講演。両氏は伊勢湾、三河湾の汚染状況と実態や漁業への影響について報告しました。

 参加者から伊勢湾でハマグリ、ウナギの減少について長良川河口堰や三河湾埋め立てによる影響も指摘。貧酸素水域については、期間も面積も広がっている状況を説明し、そのためカレイなど海の底にいる魚が激減している」と答えました。(9月4日)