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「南京虐殺否定」事件 河村市長は撤回せよ 市民ら「会」結成

 

名古屋市で7月7日、広範な市民や学者、研究者ら130人が集まり、河村たかし市長の「南京虐殺否定」発言を撤回させる会を結成しました。

 河村市長が2月に歴史的事実である「南京大虐殺」を南京市との公式の場で否定して以降、多くの識者・市民運動家が発言の撤回を求めてきましたが、いまだに河村市長は発言を撤回していません。南京市との交流も途絶えたままになっています。

 「会」では、発言を撤回させるための中長期活動方針として、?市民への宣伝活動を多彩に行う?「南京虐殺」に関する連続学習会・映画会・写真展・コンサートなどを実施する?名古屋市議会議員・各党各会派への働きかけを行う?河村市長への要請・名古屋市議会等への申し入れ、交渉を行う?名古屋市民・日本・南京・中国の多くの人々と連帯してたたかう―などを掲げました。

 参加者は、河村市長の「南京虐殺否定」発言が、両市の友好を阻害するとともに「日本のアジア侵略の歴史をも否定しようとする潮流」にあることを重くとらえ、河村市長に対し、一刻も早く、発言撤回を要請するアピールを採択しました。

 講演会では、名古屋大学の安川寿之輔名誉教授があいさつ。中国近現代史の笠原十九司名誉教授が講演しました。笠原氏は、「南京事件の犠牲者に対する“第2の加害”」にふれ、「虐殺否定派には、殺された側の被害・犠牲を想像できずに否定する人権感覚のマヒがある」と批判しました。

 会の共同代表に選出された、日中友好協会愛知県連合会の鳥居達生副会長は、「多くの名古屋市民によびかけ、全国の意思ある人々とも連携して、発言を撤回させたい」と述べました。(7月12日)