3連動想定対策強めて
東海・東南海・南海の3連動型地震で激しい揺れと大津波が想定される名古屋港区で5月27日、日本共産党主催の「名古屋南部地域から大地震・津波対策を考える」シンポジウムが開かれました。町内会長、老人会役員、地域消防団役員ら200人が会場を埋め、熱心な討論が続きました。
日本共産党愛知4区委員会(名古屋市港区、南区、瑞穂区、熱田区)の党組織は、西田とし子衆院愛知4区予定候補を先頭に各区の消防署、土木局、地域の消防団、町内会、医療・福祉団体、港湾関係企業など数百件にシンポの案内をおこないました。
主催者を代表して西田氏は「1959年の伊勢湾台風で大きな被害を受けた。今後の大地震・津波で被害を防ぐために防災の取り組みを強めよう」とあいさつしました
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名古屋大学大学院の川崎浩司准教授、名古屋市消防局防災部防災室の難波伸治主幹、日本共産党の山口清明名古屋市議(名古屋港管理組合議会議員)がパネリストを務めました。
川崎氏はマグニチュード9クラスの3連動型地震で市南部地域は水没するとの想定被害予測を紹介し、「大地震の時期は予測できないが、日常的に防災意識を高め、自助・協助・公助の総合的防災対策が必要」と強調しました。
難波氏は、現在の市の地震・津波対策は東海・東南海の2連動型を想定したものだと述べ、「東日本大震災を受け、津波対策として570棟の高層ビルを津波避難ビルに指定した。南海トラフトの巨大地震を想定した新しい防災計画は、来年6月頃には発表できる」と述べました。
山口氏は名古屋港周辺の水門や堤防などの施設の管理が国、県、市と縦割り行政になっていて、昨年9月の台風15号の時に迅速に対応できなかった問題を指摘しました。
南区の参加者から「山崎川の堤防は伊勢湾台風直後につくられた。50年以上たつが大丈夫か」との質問がだされ、難波氏は「改修に向け測量調査をおこなっている。その結果を受け必要な改修をする」と回答。
伊勢湾台風で自宅が流失した港区の人は「今の高潮防波堤や防潮壁で大津波が来ても対応できるのか」の質問。川崎氏が「防潮壁は台風時の高潮対策でつくったもの。津波に対応できる強度や高さなど検討する必要がある」と答えました。
障害者や介護施設職員からは「災害時の障害者の避難は大変。遠くに避難できない。避難できても学校など避難所はエネベーターがない。対策はどうなっているのか」山口氏は「市に防災対策の予算増額を求め、障害者が住む市営住宅、学校などの避難所のバリアフリー化をすすめる」。
「個人として出来る対策」については、難波氏は「古い木造家屋はぜひ耐震診断をおこない、必要ならば耐震改修をしてほしい。家具の倒壊による負傷が多いので家具の固定は必ずやってほしい」と答えました(5月31日)