大村秀章愛知県知事が県立病院の縮小・再編の検討をすすめるなか、愛知県社会保障推進協議会は4月28日、県立病院のあり方を考えるシンポジウムを名古屋市熱田区で開きました。
大村知事は「民間病院や他の公立病院との機能分担を検討する」として、精神科医療の城山病院(名古屋市千種区)や、がんセンター愛知病院(岡崎市)の機能縮小を検討。さらに、がんセンター尾張診療所が開設されている旧循環器呼吸器病センターの跡地(一宮市)について、医療・福祉に限らない分野での民間利用を検討しています。
パネリストは吉本典正(愛知県病院事業庁職員組合委員長)、大塚紀男(一宮市・公立病院を守る会)、山口敏夫(愛知県障害者・児の生活と権利を守る連絡協議会事務局長)、高柳進一(愛知県精神障害者家族会連合会理事)の4氏がつとめました。
吉本氏は「大村知事の指示で城山病院の改築予算が従来計画より10億円も削られ、うつ病患者向けの病棟48床が削減された。知事は業務内容でなく、収益に合った人員配置を強く主張しているが、採算を理由にした県民の医療低下は許されない」と批判。
大塚氏は循呼センター跡地問題について、「一宮市民病院はいつも満床で、療養施設や特養ホームも足りない。地元の圧倒的世論は、医療・福祉施設の設置を求めている。県や市への働きかけを強めていきたい」と語りました。
高柳、山口両氏は「重度の障害者は民間では対応してもらえない。障害者が人間らしく生活するためには、公的医療機関の充実が不可欠だ」と述べました。
会場発言では、「愛知県は他県に比べ、医療予算が少ない。地域住民の要求に沿った医療の充実をめざして運動をすすめていきたい」などの発言がありました。