「あいち定時制・通信制父母の会」は4月24日、愛知県教育委員会に夜間定時制高校の学級数を増やすよう申し入れました。
県内では、経済的な事情などで夜間定時制高校の入学希望者が急増。今年3月の前期選抜では、2倍を超える学科もあり、多くの不合格者が出ています。
伊藤幸エ会長は「学びの場を保障することは、行政の重要な責務です。未来を担う子どもたちのために、正規教職員の増員とセットで学級数をふやしてほしい」と訴えました。
県教委の担当者は、「後期選抜では3倍を超えている学科もあり、この問題は県にとって喫緊の課題と考えている。学校施設の実状を踏まえ検討したい」と回答。また、県の就学資金貸与制度を利用している高校生は年々増加し、昨年度は3420人(2008年度の1・3倍)に達したと説明しました。
参加者は、経済的困窮や複雑な家庭環境、外国からの移住者など、さまざまな困難をかかえた生徒たちに対応するため、各学校にスクール・ソーシャルワーカーを配置するよう求めました。
母子家庭で、夜間定時制高校3年生の息子をもつ常川知紗土(ちさと)さんは、「高校授業料は無償化されましたが、制服代などの個人負担があるために、夜間定時制を第一志望にする生徒が増えています。県の予算を増やして、子どもたちが学ぶ『最後の砦(とりで)』の定時制をもっと充実すべきです」と話しました。
同会は昨年11月、定時制・通信制教育の充実を求める署名約2000人分を県教委に提出しています。(4月26日)