三菱電機(本社、東京都千代田区)を派遣切りされた2人の労働者が同社と派遣会社を相手取り、三菱電機社員としての地位確認と損害賠償を求めている控訴審第の1回口頭弁論が3月27日、名古屋高裁(長門栄吉裁判長)で開かれました。
原告の女性(40)が意見陳述をおこないました。
女性は「三菱電機は人をモノとして扱い、地裁判決が三菱電機の責任を認めたのに、三菱電機は反省や謝罪をするどころか即日控訴した。怒りを覚える。裁判に勝って誰もが人間として安心して働ける社会にしたい」と述べました。
裁判後の報告集会で弁護団の加藤悠史事務局長は、控訴審の争点などを報告した後、「三菱電機などの『派遣切り』をなくすため、労働者派遣法の『骨抜き』改定でなく抜本改正を求め運動を広げよう」と訴えました。
昨年11月2日の名古屋地裁判決は、三菱電機が長年にわたり偽装請負をしていたと認定。会社都合による契約の中途解約は原告の生活を困難にする信義違反の不法行為と判断し、3人の原告に損害賠償を命じました。地位確認については認めませんでした。2人の原告は派遣先の雇用責任、派遣元の責任を求め控訴しました(3月29日)