国土交通省地方整備局など、政府の出先機関を廃止する「地域主権改革」と市民生活を考えるシンポジウムが3月3日、名古屋市中区で開かれました。愛労連や公務関係労組などでつくる実行委員会が主催したもので230人が参加しました。
二宮厚美神戸大学教授が基調講演し、大槻金二(国土交通省管理職ユニオン東北支部事務局長)、知崎広二(名古屋市職員労働組合書記次長)、川口創(弁護士)の3氏が報告しました。
二宮氏は、「『地域主権改革』のねらいは、国民福祉に対する国の責任を自治体に丸投げすることにある。東日本大震災をはじめ、多発する自然災害から国民を守るためには、国の責任を明確にすることが不可欠だ。憲法25条を守る立場で、これを阻止しなければならない」と力説しました。
大槻氏は、東北地方整備局が全国の地方整備局の応援を受けて、短期間で東日本被災地の主要道路や橋梁、港湾、空港を復旧し、被災者救援や救援物資搬入に大きく貢献したと説明。「国が責任を持って被災地復旧を行ってこそ、住民の不安を解消することができる」と強調しました。
知崎氏は、「名古屋市職員が多数、被災自治体の応援に派遣され、住民の要望に応えることができた」と紹介。川口氏は「『地域主権改革』の名のもとに、国は保育をも放棄しようとしている」と述べ、民主党政府を厳しく批判しました。(3月7日)