請願に賛成は共産党だけ 不採択に
名古屋市内の保育園児の保護者や保育士労組でつくる「保育をよくするネットワークなごや」は2月6日、市の保育事業に営利企業を参入させないよう求める市議会要請行動を繰り広げました。この日は、同ネットが昨年9月に署名2万8660人分を添えて提出した請願を、市議会教育子ども委員会で審査する日です。
市はこれまで、社会福祉法人等による施設の整備を中心に解消をすすめる方針をとってきました。しかし河村たかし市長が、全国最多の保育所入所待機児童(昨年10月1日現在、1909人)の解消を名目に、今年4月に保育所認可要綱を改定し、株式会社が経営する保育所も認める方針です。
行動参加者は委員会開会前に、各会派控室を訪問。「企業参入がすでに認められている自治体では、経営破たんによる突然の撤退や園児の事故など、トラブルが続出しています。もうけ優先の企業に保育をまかせるべきではありません」「待機児童対策は、公立保育園の空き部屋の活用や、広い園庭に保育室を増設するなど、市の責任で行うべきです」と要請しました。
しかし同委員会では、日本共産党の岡田ゆき子議員を除く他党の議員すべてが反対し、請願は不採択になりました。採決に先立つ質疑で、岡田議員は「保護者の所得に応じて保育内容に差が生じる、名古屋全体の保育の質を低下させる、など営利企業の参入は様々な問題を起こす恐れがある。保育事業は市の責任で行うべきだ」と主張しました。
同ネットは市保育企画室にも方針の撤回を求める申し入れを行いました。
5カ月の長男を連れて参加した山森藤子さん(29)は「企業保育園では、子どもを第一に考えてくれるとはとても思えません。企業参入は絶対に反対です。河村市長は、名古屋城天守閣の木造再建よりも、公立保育所づくりに税金をつかってほしい」と話しました。(2月8日)