憲法公布65周年の11月3日、名古屋市昭和区で、九条を守る愛知県民のつどいが開かれ、800人が参加しました。「あいち九条の会」が主催したもので、水田洋名古屋大学名誉教授、雨宮処凛(かりん)反貧困ネットワーク副代表が、原発や貧困などをテーマに若者と対談しました。
主催者あいさつにたった山内一征代表世話人は「野田政権の発足いらい、集団的自衛権の行使を容認する解釈改憲の動きや、明文改憲に向けた憲法審査会の始動など、改憲に向けた動きが新たな段階に入っています。つどいを、憲法を守り発展させる契機にしたい」と述べました。
対談では10人の若者が舞台に登壇し、水田、雨宮両氏に自身の思いを語りました。原発からの撤退を求める若者のネットワークづくりにとりくんでいる、大学1年生は「原発事故を受けて何かしなきゃと思い、高校の友人と一緒に街頭で、浜岡原発の即時停止を求める署名を呼びかけました。ネットやメールを通じてたくさんの人とつながりができ、行動することの大切さを実感しています」と話しました。
雨宮さんは「3・11(東日本大震災発生日)以後、原発からの脱却を求めて、たくさんの若者が集会やデモに参加しています。声をあげ、自分たちで政治を動かさないと現状を変えられないことに気づいた若者が増えています」と強調しました。
水田氏は「人間の尊厳を守るためには、私たちの力で現行憲法を守っていかなければなりません。今年で92歳。若い皆さんと一緒にこれからもがんばります」と述べ、会場を沸かせました。
閉会あいさつした小林武沖縄大学客員教授は「憲法を守り生かしてこそ、日本の歴史を前にすすめることができます。さまざまな考えの人たちとともに憲法を学び、意見交換することが大切です」と呼びかけました。
会は2005年1月の結成以来、県内280の地域・職場の会の活動をサポートするとともに、講演会やアピール行動を企画し、憲法を守る世論づくりをすすめています。つどいを企画した加藤洪太郎事務局長は「若者たちが繰り広げている運動は、従来の運動の枠を超えたエネルギーと広がりをもっています。本当の意味での国民主権の実現をめざして、老いも若きも一緒に運動をすすめていきたい」と抱負を語ります。(11月5日)