液状化危険地に新病院
「液状化の危険がある場所に新病院を建設しないで」―。愛知県東海市の市民グループ「市民の声を生かした病院をつくる会」(石浜照美世話人)は6月9日、同市と知多市が建設をすすめる新病院予定地を白紙に戻すよう求める請願を、井上正人議長に提出しました。
両市は、現在の東海市民病院と知多市民病院の医師不足や経営赤字解消を理由に、両病院の統合で合意。3月はじめに発表した新病院予定地(知多市)は、産業道路や製鉄工場、火力発電所に隣接した埋め立て地で、知多市のハザードマップでは液状化の危険が極めて高い地域に指定されています。発表直後に東日本大震災が起き、住民の間に衝撃が走りました。
住民の声は、両病院の存続、夜間・休日医療や産婦人科の整備、病院統合を容認など様ざまですが、「まずは予定地を白紙に戻させないと、取り返しがつかない」と、4月末に署名を開始し、わずか40日間で5300人の協力がありました。
石浜さんは「大震災で、身近な地域の公立病院の大切さを知った。署名で、病院統合は市民に理解されていないこともわかった。この請願をスタートに、知多市の住民とも連携し、医療充実を求める運動をすすめたい」と話しました。
請願の紹介議員には、日本共産党の辻井タカ子、安井ひろ子の両氏と無所属議員1人が名を連ねました。知多市でも住民が同趣旨の署名に取り組み、議会に請願をしています。(6月11日)