イチゴ農家、畑の泥出し?見通し持てた? 被災者に心寄せ元気をもらった
日本共産党愛知県委員会の河江明美さん(県大震災対策副本部長)は、宮城県で東日本大震災の被災地支援活動をしています(6月19日までの予定)。河江さんのリポートです。
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私は、日本共産党仙南地区委員会が活動する名取市、岩沼市、亘理(わたり)町、山元町への救援ボランティアの受け入れをしています。この地域は山梨、静岡、岐阜、三重、愛知の5県が担当です。
被災した沿岸部は、津波ですべてのものがのみこまれたという感じです。基礎が残っているのを見て、住宅があったことがわかります。電気も復旧しておらず、車は警察官の手信号で誘導されます。遺体が見つかったばかりでしょうか、花束が置かれていました。
地震と津波による甚大な被害を受けたみなさんの苦しみは、とても言葉では言いつくせません。惨状を目の当たりにして活動が始まりました。
土は塩を含み
私も、みんなと一緒に、亘理のイチゴ農家で泥だしの仕事をしました。イチゴの植わっていた畝は土が塩を含み、泥というよりも石のように固まっています。手作業で取り除き、粘土のようになった土はスコップでかきだします。そのあと農家の人がトラクターで作業するのですが、どうしても人手がいる仕事です。「家族5人でどうしようかと途方にくれていたが、見通しがでてきた」と大変喜ばれました。
亘理町のイチゴは温暖な気候と土壌を生かし、東北一の生産量を誇っていました。今頃はイチゴ狩りでにぎわう時期です。ところが、この地震と津波で、泣く泣く廃業を決めた人もおられます。
私たちの作業を目にし「がんばってやってみよう」と思い直してくださる農家の人もおられるようです。本当にうれしいです。名古屋市緑区から参加したボランティアの男性は、「僕は、このイチゴがおいしい実をつけるまで見守っていきたい。またボランティアに来て、収穫の時期には友達と一緒にきたい」と言ってくれました。被災された農家の人に心をよせるボランティアです。
救援物資のお届け隊も、大変感謝される仕事です。各県から米や野菜などの物資が届けられ、米は小分けして持ち帰りやすいように作業しておきます。山元町の仮設住宅では、各戸に案内もして取りにきてもらいました。瞬く間になくなったそうです。
ラジオ喜ばれ
大変喜ばれたのは、岐阜県のみなさんが持ってきてくれた600個の携帯ラジオです。電池が入っており、すぐ使えます。「携帯ラジオがあるって聞いたけど」「これで地震の情報が聞ける」と感謝されました。米や野菜、下着、靴下、夏物衣料などまだまだ不足しています。当面、仙南地区委員会に毎週月曜日着で物資を受け付けていますので、各県での取り組みをお願いします。物資を積める軽トラックの提供もお願いしたい。
家の片付け隊、被災者訪問隊など活動はさまざまで、それぞれ大変さもありますが、「やってよかった」「『ありがとう』といわれて、さらに力が湧いてきた」と、ボランティアの大切さ、やりがいが実感できます。
愛知県の大学4年生の女性は「ボランティアは多ければ多いほど現地の人に元気とエネルギーをわけることができる。全国のみんなが来てほしい」と語ってくれました。この言葉につきると思います。ぜひ、みなさん、参加してください。(5月28日)