一、4月24日、衆院愛知6区(春日井市、小牧市、犬山市)補欠選挙といっせい地方選挙後半戦として6市町長選、37市町村議選と西尾市議増員選挙(一色選挙区、吉良選挙区、幡豆選挙区)の投開票が行われました。
日本共産党は、国政選挙で党公認のかわえ明美候補、瀬戸市長選挙で党推薦の三宅訓子候補、35市町村(22市12町1村)議選挙に79人の公認候補、西尾市議増員選挙で3選挙区にそれぞれ1人の公認候補者を立ててたたかいました。
この結果、国政選挙及び瀬戸市長選挙では当選に及びませんでしたが、市議選では大府市、犬山市、江南市で改選2議席から3議席へ前進させるなど22市議選で43人、町村議選では大治町で議席空白を克服するなど12町1村議選で18人が当選を果たし、西尾市増員選挙でも新たに一色選挙区で当選を果たすことができました。衆院愛知6区補選で日本共産党が候補者をたてて論戦の先頭にたったことは、日本共産党の政策、値打ちと役割を有権者に鮮明にし、春日井市議選、犬山市議選で日本共産党の候補者が全員当選することに貢献しました。
一方、他党は、後半戦の市町村議選で、自民党が18人、民主党が27人、公明党は77人、社民が6人、みんなの党が8人、国民新党が1人、減税日本で2人、日本一愛知の会で5人が当選しました。
選挙の得票では、衆院愛知6区補選は、小選挙区制導入後の1996年以来、最低の投票率(41・94%)であったにもかかわらず、日本共産党のかわえ候補は1万4369票(得票率8・46%)を得票し、選挙の出発点である昨年参院比例票に対して1643票前進させ、得票数、得票率ともに前進させることができました。市町村議選全体の日本共産党の候補者の得票は昨年の参院比例票からは132%へ押し返しましたが、前回選挙比では87%にとどまりました。西尾市増員選挙の一色選挙区で当選した日本共産党の候補者は、昨年参院比例票比521・1%、前回町議選比146・7%の大幅得票増をえることができました。
いっせい地方選挙後半戦は、前回と比べ11町が5市に再編・合併・移行し、定数が73議席削減されるもとで、今年初めから行われた一連の選挙で、みんなの党とともに、マスコミが持ち上げキャンペーンをし、「改革」のポーズをとった「減税日本」「日本一愛知の会」が立候補するなど、多数激戦となった選挙でした。こうした「厳しく激しい選挙」(2中総)のもとで、日本共産党は力及ばず改選議席を14議席後退させる結果となりました。有権者の思いにこたえられず、かけがえのない日本共産党の地方議員の議席を前進させることができなかったことを、心からお詫びいたします。
ご支持をいただいた有権者のみなさん、日本共産党の前進のために昼夜をわかたず奮闘していただいた支持者、後援会員、党員のみなさんに心からお礼を申し上げます。
二、今回の国政選挙といっせい地方選挙後半戦は、前半戦に続き、未曾有の大震災と最悪の原発事故に立ち向かい、国民のいのちと暮らしをどう守るのかという、政治と政党・政治家のあり方が鋭く問われる中で行われた選挙です。とりわけ、衆院愛知6区補選は、大震災と原発事故のもとで初めて行われる国政選挙であり、民主党政権に厳しい審判が下された昨年の参院選挙にたって、これまでの自民党政治に代わる新しい政治を国民が模索している中で、国難を打開し「国民が主人公」の新しい日本の展望が問われた選挙でした。
国政選挙、市長選挙、市町村議選挙で、日本共産党と候補者は、前半戦の教訓に立って、?被災地の救援・復興のために、心一つに頑張り抜く、?日本国民が、国民的エネルギーを発揮して、被災地への救援・復興をやりぬき、戦後最大の国難を打開し、それを通じて新しい社会をつくる契機にしていくという姿勢で選挙にのぞむ、という政治的姿勢を堅持するとともに、被災者支援と原発危機の収束、国の総力をあげての復興、原子力行政・エネルギー政策の転換、「福祉・防災のまちづくり」への地方政治の転換という政治的訴えを堅持・発展させて、訴えぬきました。後半戦の候補者は、これらの訴えと合わせて、「国保税の引き下げ」「住宅リフォーム助成制度の創設」「巡回バスの充実」など切実な住民要求の実現も訴えました。
他陣営が、震災からの救援・復興、原発問題を触れることはあっても、国民と心を一つにして、真剣に具体的に打開の方向を語ることがない中で、日本共産党と候補者の真摯な訴えは、大震災のもとで苦しむ多くの人々、前途に不安を募らせる国民の気持ちとかみあったものであり、届いたところではどの選挙区でも有権者に積極的にうけとめられ、日本共産党と候補者に期待と共感が寄せられました。
残念ながら、全有権者規模で日本共産党の論戦を届けることはできませんでしたが、論戦への住民の期待と共感の広がりと、前半戦の結果についての常任幹部会が提起した「危機のもとで、ジグザグや試行錯誤をともないながらも、国民が政治の真実とは何か、日本共産党の主張にこそ真実があるのではないかという認識を発展させる可能性」があることに確信を持ち、選挙中かかげた公約と住民の切実な要求の実現のために、ただちに全力をあげて奮闘するものです。
三、後半戦で、現職議員を10人落選させ、新旧交代に7人失敗し、みよし市と蟹江町で新たな議席空白をつくるという重大な失敗があり、その教訓を深めることが必要です。
前半戦の結果について述べた常任幹部会声明では、後半戦に「どうやって勝利を開くかといえば、?党の持てる力をあまさずくみつくすこと、?後援会員・『しんぶん赤旗』読者・支持者などに協力をお願いし選挙活動の担い手を思い切って広げること――この二つに徹してこそ、勝機が見えてきます」と述べ、「全国決起集会」の内容をすべての支部と党員のものにする努力とともに、後援会員・読者・支持者に協力をよびかけ、保守も含めた無党派の人々に広く働きかけ、「集い」を草の根から網の目のようにとりくむことを強調し、4月20日付「しんぶん赤旗」に掲載された、いっせい地方選挙闘争本部の訴えは選挙勝利に向けて「情勢判断と対策を正確・機敏に」と提起しました。
自治体・行政区全体の選挙の情勢判断を正確におこなって、個別選対・支部ごとの対策をうつこと、候補者を先頭にした論戦、有権者にたいする宣伝と組織戦の総量を引き上げること、得票目標にふさわしい対話と支持拡大の目標を明確にして、対話と支持拡大の「担い手」を広げに広げきることなど、常任幹部会声明やいっせい地方選挙闘争本部の提起にどれだけ真剣に取り組み、やるべきことをやりぬいたのかどうかが、勝敗を分けるカギとなっています。
もちろん、先の常任幹部会声明も指摘しているように、昨年の参院選の総括に立って、党づくりの取り組みが開始された最初の段階でのたたかいであり、「自力の不足」という問題を解決する途上での選挙です。その点では、党の自力をつける活動を抜本的に強化しなければならないことはいうまでもありません。また、選挙は4年間の総決算であり、この面では日常の議員活動と支部と一緒になっての要求運動、無党派層との共同などの到達点を全面的に分析し、総括を深めることが必要なことも当然です。
先に行われた、名古屋市議選、愛知県議選とあわせ、今回のいっせい地方選挙後半戦の教訓をしっかりと深めて、今後のたたかいの力にする必要があります。県常任委員会は、地区委員会やそれぞれの選対指導部、候補者のみなさん、支部・後援会のみなさんの意見にもしっかりと耳を傾けて、全面的な総括をすすめていきます。
四、大震災からの救援・復興と原発事故危機打開、国難に立ち向かい新しい政治と社会をつくる取り組みは、はじまったばかりです。
日本共産党は、国民の苦難の軽減をはかるという立党の精神を全面的に発揮し、震災から国民の命を守るために全力をあげて奮闘するとともに、国民が主人公の新しい日本をつくるという国民の探求を後押しするために力をつくします。また、遅くとも3年の間には、国政選挙が行われます。今度こそ、国民の期待にこたえて前進できる力を身につけるために全力をつくします。
すべての支部、党員のみなさんの引き続く奮闘と、後援会員、読者・支持者のみなさんの引き続く熱いご支援・ご協力を心からお願いいたします。