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公的保育責任を放棄ー民主党政権が提出予定の法案

「子ども・子育て新システム」でフォーラム

 

 民主党政権が来年の通常国会に法案提出をめざす「子ども・子育て新システム」を考えるフォーラムが11月27日、名古屋市で開かれました。あいち保育研究所(所長、宍戸健夫・愛知県立大学名誉教授)が主催し、82人が参加しました。
 「新システム」は、自治体の保育実施責任をなくして親の自己責任とする方向。幼稚園と保育所を一体化した「子ども園」では、自治体に申し込む今の制度から、親が自分で探して契約する制度に変わります。
 日本福祉大学の亀谷和史・子ども発達学部長が、「新システム」の検討状況と問題点を報告。▽自治体は「要保育度」の認定だけで、直接契約によるサービス利用方式を導入▽公的な保育責任を縮小・放棄し、応能負担から応益負担に変える▽保育の営利化の拡大で「コンビニ託児所」のような劣悪なチェーン店が出現する▽保育・幼児教育の地方格差が放置される―などを指摘し、「子どもの権利を守る視点がない」と批判しました。
 同大学の佐々木将芳非常勤講師(障害児保育巡回指導講師)が、障害児支援から見た「新システム」を、春日井市第一そだち保育園の中村真理さんが、待機児童や親の生活支援が求められる実態などを報告しました。(2010年12月2日)