社会保障施策の拡充を求める愛知自治体キャラバンの名古屋市との話し合いが11月17日、市役所で行われました。県社会保障推進協議会、愛労連、新日本婦人の会など実行委員会構成団体から36人が参加。市側は健康福祉局、子ども青少年局、教育委員会などの担当者が出席しました。
要請団を代表し、久保田武社保協副議長が「貧困と格差は深刻で生活保護世帯が急増しており、医療・福祉の充実を」と訴え。国が検討する高齢者医療制度改革、介護保険制度改定、国民健康保険広域化を批判し、「市は住民の立場で対応を」と求めました。
各団体から、県内市町村が介護・福祉・医療などの支援策を大きく前進させるなかで、名古屋市の対応の遅れを指摘する発言がつづきました。「低所得者への介護保険料・利用料の減免を」「すべての要介護認定者を障害者控除の対象とし、認定書または認定申請書の送付を」などの要求に、市側は国基準などを理由に「独自の施策は困難」と回答。要請団は「自治体が基準をきめれば実施できる」と指摘しました。
新婦人の代表は「親の貧困が子育てや教育を困難にしている」と述べ、子どもの医療費無料化の拡充、妊婦健診無料の恒久化、就学援助の拡充を要求。愛教労の代表は「就学援助の申請は、子どもが負い目を感じる学校だけでなく、区役所でも受け付けるべきだ」と求めました。
愛商連の代表は「業者は不況で仕事が激減し、医者にかかれず命を落とす人が増えている」と訴え。国保料滞納者への資格証明書発行は、「制裁行政を見直し慎重に対応する」とした政府の国会答弁を生かし、金があっても払わないと証明できる人に限定するよう求めました。市側は「その趣旨で対応する」と述べました。(2010年11月19日)