河村たかし名古屋市長が、開会中の9月市議会に市営プールの廃止を提案している問題で、住民から「唐突だ」「プールは子どもの楽しみだからなくさないで」など、戸惑いや怒りの声がわきおこっています。提案されたのは、中村区の稲葉地プールと名東区の名東プールで、老朽化を理由に来年4月1日に廃止の計画です。
中村区民に廃止計画が知らされたのは9月の最初。稲葉地プールは、今年度の利用者は昨年より1500人も増え、1万人近くが利用する人気の高い施設です。ある学童保育所の指導員は「この夏には8回、のべ240人の子どもたちをプールで遊ばせた。料金も1回100円と安く喜ばれている。廃止になれば、料金が200円の遠くのプールしか利用できなくなる」と言います。
住民有志は「稲葉地プールを守る会」(太田義郎会長)を発足させ、「プールは廃止せず、修繕して存続してください」という、市長あての緊急署名を始めました。区内に5つある学童保育所も共同しています。
運動の先頭に立つ日本共産党の藤井ひろき市議予定候補は20日、プール横の公園で、3人の後援会員とともに署名を呼びかけ、1時間で70人から協力を得ました。
中学3年生の男性は「俺、夏休みは毎日ここのプールに通った。必ず残してほしい」と言いながら署名。子どもと砂遊びをしていた女性は「ここにプールがあるから近所に引っ越してきたばかりなのに、廃止は困ります」と話しました。
70歳の男性は「えっ、いま議会で審議中なの? 地域では廃止が決まったという回覧板がまわっているよ」と驚き、市民不在で廃止が強行されている実態が明らかになりました。
藤井候補は、子どもと遊ぶ人たちと次つぎ対話し、「市長は金持ち減税の一方で、子どもたちの楽しみを奪おうとしています」「プールは修繕すればまだまだ使えます」「みなさんの署名で、市政を動かしていきましょう」などと呼びかけました。(2010年9月25日)