名古屋市の「市政パブリックヒアリング」(市主催)が4月11日、中区で開かれ、出席した河村たかし市長(元民主党衆院議員)に対し、参加者から「市民をあざむくな」などの批判が相次ぎました。
会場発言で名東区の女性は、地元タウン紙(10日付)に掲載された河村市長へのインタビュー記事について、「事実に反する。市民をあざむくものだ」と批判しました。
記事の中で河村市長は「議員(報酬)は2700万円」「4年ごとに4220万円の退職金がもらえる」などと発言していますが、実際の議員報酬は約1600万円で、退職金制度は存在しません。
河村市長は「編集者のチェックもれか、印刷間違いでは」などと弁明に終始しました。
同インタビューで河村市長は、「(『市民税10%減税』で)赤ちゃんなどの非納税者も含めて、だいたい7000円づつ戻る」と述べています。しかし、個人市民税非課税の市民40万人は減税額ゼロなのが実態です。
参加した緑区の男性は、「市民全員が減税されるような市長の説明の仕方は間違っている」と批判。「子ども2人保育園に通っているので、市長の当初計画通りに保育料が値上げされていたら減税より負担の方が多くなっていたはず。行財政改革は、収入が低い人ほど負担が多くなるのが実態だ。大企業や金持ち優遇ではなく、収入の低い市民こそ大事にしてほしい」と訴えると、会場から拍手が沸き起こりました。
議会の権限を弱め、市長の強権政治をねらう河村市長の「議会改革」に対し、「人口10万人あたりの議員数では、政令市のなかで名古屋市は2番目に少ない。我々住民の代表をちゃんと確保し、民主主義に必要な費用も負担すべきだ」「現行の選挙区割りのまま定数を半減すると、小選挙区に近くなってしまう。少数意見が反映されず、民主主義に反する」などの批判が相次ぎました。(2010年4月13日)